離党また離党…自民に危機感 参院選の勝算も立たず

http://www.asahi.com/politics/update/1225/TKY200912250472.html
http://www.asahi.com/politics/update/1225/TKY200912250472_01.html

自民党の現職の参院議員3人が年末に相次いで離党の意向を表明し、1993年の野党転落時の再現を恐れる声が広がっている。党支持率が低迷し、来夏の参院選の勝算が立たず、党再建の道筋が見えないことが、議員の不安をかき立てている。

落ち目になると潮が引くように人が離れて行くのは世の常ですね。
自民党とは比べようもありませんが、私の場合、検察庁を辞めた後、3、4年くらいは、このまま人知れず消えて行くと見えたのか、人から声をかけられることもほとんどなくなり、行く先々で小馬鹿にされたような扱いを受けることが多く、「検察庁を辞めなければ検事正くらいになれたかもしれないのに。」といったことを言われることがよくありました。
その後、次第にそういったことは言われなくなり、最近は、たいした活躍もしていないのに、テレビ等に出てくる機会が増えたせいか、私がどのような仕事をしているか知らない人からも活躍しているなどと言われることが増え、知らない人から声をかけられたりする機会が増えました。
声をかけていただいたりすることはありがたいことですが、これが、今後、何らかの契機で落ち目になった、と見えるようになれば、再び元のような状態に戻り、潮が引くように人は離れて行くでしょう。
禍福は糾える縄の如し、と言いますが、自民党も、落ち目の今こそ、くさらずあせらず、復活の道を探るべき時ではないかと思います。

実勢価格で83億円超…巨額の鳩山首相資産

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091226-OYT1T00018.htm

自ら用立てた資金を大きく上回り、母親から提供を受けた資金は12億6000万円に上ることを明らかにした鳩山氏。だが、その大半の使途は説明されていない。

政治資金規正法は、かつては「ザル法」などと言われ、その違反についても、検察庁形式犯として相手にしない程度のものでしかありませんでしたが、最近は徐々に実質犯化し、法定刑も重くなって、検察庁もそれなりの重みがあるものとして捜査するようになっています。政治資金の透明化が強く要請される中、それ自体は時代の流れと言えるでしょう。
ただ、私見としては、同法の実質犯性を根拠づけるのは、第三者から政治資金が提供される中で、その提供された資金について、ということであって、鳩山首相のように、身内の資金で「身銭を切る」というパターンでは、虚偽があっても、やはり形式犯にとどまるのではないかと思っています。とは言え、今回の事件では、偽られた金額があまりにも巨額で、社会的影響等も総合考慮して公判請求者が出た、ということなのでしょう。そういった検察庁の処理には、それなりに理解できるものはあります。
鳩山首相は、自分は資金についてあずかり知らなかったと言い張っていますが、これだけ巨額の資金が動いていながら、細部はともかく、大きな流れについてまで知らなかったはずもなく、そこを、言いなりで、取調べもせず上申書提出でお茶を濁して事件処理した検察庁側には、所詮は形式犯だからという判断と、鳩山首相側に恩を売り貸しを作っておいて、死刑問題や取調べの可視化問題等、今後、法務省検察庁が厳しい立場に置かれることが予想される状況下で、「鳩山カード」を手元に残しておくという政治的な判断があったのではないかという印象を私は受けています。
鳩山首相としては、自らの政治資金の源泉について検察庁により徹底的に調べ上げられ、その中には知られたくなかった部分も多々あった可能性もあって、今後、法務省検察庁に厳しく臨みたいといった場面になると、いまだ知られていない、そういった部分が脳裏に浮かび、それと共に「リーク」という言葉もじわじわと脳裏に浮かんでくるはずで、首根っこを押さえられたような気分になっているかもしれません。そうであれば、法務省検察庁としては、形式犯であっても手間暇をかけ捜査した意味はあったということにもなってくるでしょう。
鳩山首相の資金について、検察庁は、その流れも可能な限り調べ上げているはずで、その中には、他の民主党関係者に流れたものも相当額あった可能性があって、そういった資金が流れた先(「政権党」関係者ということになりますが)に、法務省検察庁が、今後、陰に陽に影響力を及ぼして行く上でも、この事件がじわじわと効いてくるということも考えられます。捜査の過程で、様々な関係者の様々な政治資金に関する問題が判明したものの検察庁が「現時点では」敢えて事件化しなかったということもあり得て、時効にかかっていなければ、今後、問題化する可能性は残ります。
何かの機会に、法務省検察庁関係者が現れて、にやっと笑いながら、「先生は首相とかなり親しくされてきたようですね。」などと言われ、言われた側は強く出られなくなる、という場面が、今後、随所で出てくるかもしれません。

「再犯防止施策の充実」(平成21年版犯罪白書)

今年の犯罪白書の特集は、「再犯防止施策の充実」で、その部分を一通り読んでみました。
私が、接する被疑者、被告人によく言っているのは、社会に出たら定職を持ち真面目に働くこと(仕事に打ち込めば悪事に走る余裕はなくなるし収入も安定しその必要もなくなる)、家族を大切にしてその信頼を裏切らないようにすること、悪い交遊関係を断ち、断てないとしてもほどほどの付き合いにとどめること、といったことですが、こういった点がうまく行くかどうかで、再犯に陥るかどうかが大きく変わってくることを、読んで改めて認識しました。
印象的だったのは、保護観察対象者からの聴き取り中の、

勾留中に面会に来た2歳の長男が、父親である自分の顔を忘れてしまっていたことにショックを受け、絶対に刑務所には行きたくないと思い、更生を決意した。
(284ページ)

という体験談で、こういった、更生につながるエピソードを、個々のケースにおいて、良い意味でうまく作って行くことも重要ではないか、という気がしました。
こういった形で、時々、犯罪白書でも取り上げ、施策を検証し新たな試みへとつなげて行くことは、今後とも必要でしょう。この問題に関心を持つ人々がより増えることを期待したいと思いました。