横行する「ネットダフ屋」は「エージェント2.0」なのか?

http://www.j-cast.com/mono/2008/03/28018385.html

転売目的でのチケット購入と公共の場所での販売は地方条例で禁じられている、本当に必要な人にチケットが渡らない、転売でイージーマネーを得ているなどの批判がある一方、"悪者"視する必要はないという意見もある。
その理由のひとつとして、ネットのチケット売買では、売り手買い手がヤフオクに一同に介しているため、相場が明確で、売り手間の競争も生じるという点が挙げられる。むしろ、ネットダフ屋のおかげで需給がうまく調整される――と、その役割を積極的に評価する向きもある。

インターネットオークションにおけるチケット取引について、問題点を含め紹介されていて、参考になります。
確かに、この種行為が横行しすぎると、一般消費者がチケットを入手しにくくなり、弊害が生じますが、その一方で、この記事でも指摘されているように、物の値段、価格というものは需給関係の中で決まるものであり、そのような動きを人為的に管理、コントロールすることが果たして良いのか、という疑問もつきまといます。
迷惑防止条例における「公共の場所」は、あくまでリアルな場をと指し、インターネットオークションのようなバーチャルな場は含まない、ということを前提としつつ、例えば、携帯電話をチケット代わりに使うようなシステムを普及させ安易な転売を防止するなど、今後とも関係者の工夫や努力が必要ではないかと思います。

富山のニュース ◎「自白の確認が不十分」 氷見のえん罪で県弁護士会報告


http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_today/T20080329203.htm

報告書によると、弁護人は、柳原さんが逮捕された二日後、無料接見が一回だけの当番弁護士として接見した。柳原さんが犯行を否認したことを確認し、「やっていないのであれば、やっていないと言うように」と助言したものの、当番弁護士制度について十分な説明をしなかった可能性があると指摘した。

当番弁護士制度の有用性を否定するつもりはありませんが、最近、相談を受けた刑事事件でも、おそらく刑事事件に慣れておらず見通しが良くない弁護士が、当番弁護士でつき漫然と過ごし、適宜、適切な弁護活動を行わなかったため、今となってはできることが限られてしまい、その意味では取り返しがつきにくい状態になっていました。
私が以前から本ブログでもコメントしているように、日本でも、外国にあるような公設弁護人事務所を全国に設置し、刑事事件に明るい弁護士を雇用して、特異重大事件や種々の問題点を含む事件は、捜査段階から公設弁護人が担当する態勢にしないと、低レベルの刑事弁護(とも呼べないような、一種の刑事弁護ごっこ)で、一生に一度あるかないかの刑事事件をうまく乗り切れず多大な不利益を被る国民が次々と出る、という現状は克服できないでしょう。

警察庁長官銃撃から13年

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080330-00000047-san-soci

事件は7年3月30日午前8時半ごろに発生。自宅マンションを出た国松氏が拳銃で銃撃され、4発中3発が腹などに命中して重傷を負った。捜査本部は16年7月、オウム真理教の元幹部ら3人を殺人未遂容疑で逮捕したが、嫌疑不十分で不起訴処分となった。

捜査本部は17年3月、捜査態勢を約100人から約70人に縮小。投入した捜査員は延べ約44万人に上る。

13年たって、今となっては70人も人が動く意味があるとは思えないですね。もっと少数精鋭で、今までやってきた捜査を徹底的に見直し、その中に何らかの手がかりが含まれていないかをチェックするべきではないかと思います。
13年前の4月始めに、名古屋地検から東京地検に着任し、すぐに、この事件の関係で赤坂警察署に行ったことが昨日のように思い出されますが、赤坂警察署も、現在、新築工事中で、時の流れを感じます。

父さんいなくても学校がんばります 突き落とし被害者長女

http://www.asahi.com/national/update/0329/OSK200803290001.html

「とうさんへ いつもおしごとがんばってくれてありがとう でも、じこにあって つらいめにあったとおもうけど みんなとうさんをしんぱいしていて わたしは学校からかえってきて とうさんがしんだときいて とてもかなしくなりました。でも とうさんがいなくても学校はがんばります」
JR岡山駅で18歳の少年にホームから突き落とされて亡くなった岡山県職員の假谷(かりや)国明さん(38)の葬儀が28日、岡山県倉敷市の斎場で営まれた。出棺前、父親の要さん(70)は「このような事件が二度と起きないように」と、假谷さんの小学1年の長女の手紙を報道陣の方に向かって読み上げた。

お気の毒としか言いようがありませんが、周囲の人々がご遺族を支援し、この悲劇を乗り越えて生活できるように、是非していただきたいと強く思います。
犯罪被害者に対する支援、給付金の支給等は、徐々に改善されていますが、より強化して、特に被害者死亡の事案にあっては、残された遺族が生活に困窮したり、遺児の進学に支障を来たしたりしないように、年金を支給したり教育資金を給付する、といった手厚いものにする必要性を感じます。
犯罪を100パーセント防止することは、残念ながら不可能ですが、起きてしまった犯罪被害について、社会が温かい、手厚い手を差し伸べる、単に言葉だけで済ませるのではなく、経済的な支援など「目に見える」形で支援する、ということが重要でしょう。

論証ブロックの切り貼り

町村教授のブログ

http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2008/03/symposium_048e.html

で、法科大学院での教育や、司法試験で求められる能力などについて、コメント欄も含め、なかなか興味深い議論が紹介されていますが、そこで出てくる「論証ブロックの切り貼り」について、昔のことを知るものとして、ちょっとコメントしておきます。
私が司法試験の受験勉強をしていた昭和50年代末から昭和60年代初めころ、司法試験の論文対策として、予め、論点と言われているものについて、「答案ではこう書く」という内容の論証ブロックを用意しておく、という勉強法が徐々に出てきていたように思います。
誰が提唱しはじめたかは知りませんが、当時、予備校であるLECの人気講師であった伊藤真先生は、既にそのころから推奨していたという記憶です。
私は専らLECを利用していたので、他の予備校のことはよくわかりませんが、当時、LECの中や、水道橋駅の近くにある丸沼書店で、LECから出た各科目ごとの論証ブロック集(「論証フォーム」といった表現をしていたかもしれません)の小冊子を売っていて、私も買って利用していました。
このあたりの事情は、かなり前に

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20041028#1098927710

で書いたことがあります。
私の場合、そのエントリーで書いたように、論証ブロックを準備する勉強にかなりのメリットを感じ、実際にも早期合格の上でかなり役立ったとも感じていますが、弊害としては、暗記に走り、鵜飼いの鵜のように、覚えた論証ブロックを答案上に、ただ吐き出すだけ、という受験生を生んでしまうおそれもあります。
ただ、新司法試験が、そのような弊害に走った勉強で合格できるものとは思えませんし、上記の町村ブログ中のコメントにもあるように、そのような弊害に走った受験生は淘汰されてきた、と思います。いろいろな紆余曲折はありましたが、そういう安直な勉強で易々と合格できるほど、今だけでなく昔も、司法試験は甘くはなかった、ということでしょう。
最近、法科大学院について「不適合」云々という議論になると、答案練習のような司法試験に直結した勉強に法科大学院は関わるべきではなく、もっと深みのある教育を施すべきだ、といった、司法試験やその後の実務家への道を、どこか蔑視するような、昔から司法試験に批判的で、批判するだけで何もしてくれなかった学者の戯れ言を、再び聞いているような気がしてきます。
答案練習、というと、いかにも試験対策、といった印象になってしまいますが、法律の学習を進める中で、学んだことを文書としてきちんと形にできるかどうか、他人にわかるように表現できるかどうか、といった能力は、必須のものであり、司法試験で求められているその種の能力には、学者が書く「論文」とは、また違った面も多々あって、そういった能力をつけることは、司法試験に合格するという狭い目的だけではなく、その後の司法修習や、さらにその後の実務家となった際にも不可欠であると思います。
法科大学院を認証する機関が、そういった事情を、どこまで理解した上で認証を行っているのかは、私のようなしがない弁護士には考えもつかないハイレベルな世界の話ですが、昔からある、法律「研究」を上位に置き、法律「実務」を上から目線で眺め、馬鹿にし、蔑視する、という偏見を引きずっているのであれば、無意味であり、いずれ近いうちに世間から省みられなくなることは確実でしょう。と言っても、私の見解では、法科大学院自体も今のままでは先はないので、一緒に消えて行く、ということになるかもしれません。

「丸紅幹部は替え玉」 出資企業が詐欺で告訴

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008033090073304.html

関係者によると、出資の協議は昨年秋に数回、丸紅本社の会議室で行われた。この問題で今月10日に懲戒解雇された社員2人のほか、架空の投資話で出資を募った医療支援サービス業「アスクレピオス」(中央区)の親会社、医薬品研究開発「LTTバイオファーマ」(港区、東証マザーズ上場)の前社長(34)=今月7日辞任=が出席。さらに、丸紅で医療事業を担う「ライフケアビジネス部の部長」を名乗る人物も同席した。
協議の結果、リーマンが出資する投資事業組合と丸紅が、医療機関を再生させる共同事業の契約を結んだ。事業の成否にかかわらず、丸紅がリーマンの出資分の元本と分配金相当額を保証する内容だった。
ところが、償還が滞って今月6日に架空契約が発覚。リーマンが実際のライフケアビジネス部長に確認し、会議室で会った人物が替え玉だと判明した。

「ハイエナ外資」をまんまと騙していて、詐欺としてはたいしたものだと思いますが、今後は、丸紅の責任が問題になりそうですね。
丸紅側は、純然たる被害者であり責任はない、と主張しているようですが、現役の社員が関わり「本社の会議室」まで詐欺の小道具として利用されていることから見て、何の過失もなく純然たる被害者で責任はゼロです、では、とても済まないように思います。
今後は、ハイエナ外資対老舗商社の、金を弁償しろ、いや、できない、という泥沼のような争いになりそうです。

ミクシィ「一人勝ち」終わったのか 「グリー」モバイルで女性会員急増

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080330-00000000-jct-sci

08年2月29日に400万人を突破。300万人を超えた07年12月1日から90日という短期間で、会員数が100万人も増加した。SNSは「戦国時代」に突入したといえそうだ。

グリーは、ミクシィの後塵を拝し、もう先がないのかな、と思っていましたが、しっかりと生き残り、会員数を増大させているようですね。やはり、携帯電話で気軽に使える、というのは、ユーザーにとって便利で、使ってみたい、という気にさせるのでしょう。
私は、ブログに書くほどでもない、日常の細々したことをSNSで時々書いていて、主として個人の日記という使い方をしていますが、それなりに便利な反面、なくて困るほどでもなく、また、会員数増大に伴ない、どうしても出会い系、怪しげなビジネス、その他得体の知れない魑魅魍魎のような人々、団体が混在してくることは避けられず、巨大化することで自滅した恐竜のように、今後は次第に衰亡の道を歩むのではないか、と感じています。