検察側証人で投資組合社長が出廷 堀江被告公判

http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20060905/eve_____sya_____014.shtml

検察側の質問に社長は、運営していたVLMA1号と同2号という投資事業組合について「LD株を売却するだけの組合だった。売却益はLD本体に戻っていると思っていたし、何らかの経理操作をしてLDが粉飾をしたかったのかなと思った」と証言した。

そう思いつつ協力している以上、立派な「幇助」ですが、こういう幇助犯は、捕まえて処罰したりせず、こういった形で証言させて、立証のため徹底的に利用する、というところに、幇助犯に対する不公平、不平等な取り扱いが現れている、と感じたのは、私だけではないでしょう。
いくら立派な理論、立派な判例があっても、法執行、運用面で不公平、不平等が横行すれば、正義は実現されません。
私が、共謀罪について強い危機感を持つ理由も、そのあたりにあります。

「岐阜のメンツ保つため」発覚後も地労委、裏金で接待

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060910i201.htm

同事務局は労使間の紛争調停や労組の資格審査などを担当し、情報交換などを目的に、毎年、中部6県で持ち回りの会議を開いている。会議費用は各県が分担するが、当時の職員によると、岐阜県下呂市などで開かれた02年の2回の会議では、会議後の懇親会のビールやおつまみを買う費用に裏金を充てたという。
さらに、03年の会議では、他県からの参加者を美濃加茂市の観光施設「日本昭和村」に案内した際の貸し切りバスやタクシーの代金を裏金でまかなった。裏金は、職員5人が自家用車を使って会議に出席したのに、列車を利用したことにして捻出したという。

私にとっては、既に昔話でしかありませんが、公務員の世界は、なぜか、この種の「懇親会」といったものが多いという印象があります。最近はどうなのでしょう。
これだけインターネットが発達し、いろいろなツールもあるので、裏金で飲み食いしながら「懇親」しなくても、Eメール、インスタントメッセンジャー、ブログ、SNS等々を利用して、いろいろな人々と情報交換すれば、かなりの効果が期待できるでしょう。
今更、先のない岐阜の公務員に、こんなことを言っても仕方がないかもしれませんが。

MY FBI

MY FBI

MY FBI

FBIのフリー元長官(1993年から2001年在任)によるもので、アメリカでは20万部も売れたそうです。
現在、読み進めていますが、クリントン大統領(当時)のスキャンダルに対し、苦悩しつつも厳正に取り組む姿勢を一貫させようとした体験など、組織内部で枢要な地位にいた者でないと書けない内容も多く、なかなか興味深く参考になる本、という印象です。

オウム事件:松本被告の特別抗告 最高裁、近く決定か

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060910k0000m040134000c.html

弁護側は特別抗告審で(1)控訴趣意書の提出遅れが容認される「やむを得ない事情」があった(2)被告に訴訟能力はない(3)(趣意書の提出の遅れという)弁護活動の不備による不利益を被告に負わせることは許されない−−と主張し、審理の対象も基本的にこの3点に限られる。
(1)と(3)は「認められる余地はない」との声が強いが(2)の訴訟能力については法曹関係者や専門家の間でも議論が分かれる。判例は訴訟能力を「被告としての重要な利害を識別し、それに従って相当な防御をすることが出来る能力」と定義するが、判断基準は明確ではない。

やはり、骨子だけでも、控訴趣意書は期限内に提出しておくべきだったのではないかと思いますね。それを出しておけば、後から補充することは可能です(あまりにも内容がない「骨子」では控訴趣意書扱いしてもらえないと思いますが)。
最高裁で特別抗告が棄却されれば、上記の(1)(3)について、一種の「弁護過誤」の問題が生じる可能性もあると思います。

人事:最高裁

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/ji/news/20060909k0000e060003000c.html

東京高裁部総括判事(宇都宮地裁所長)大野市太郎

退職(東京高裁部総括判事)仙波厚

仙波さんの4部では、国選事件で、事実誤認の主張を一部認めてもらい、原判決を破棄してもらったことがあります。原審が確定的故意を認定したものについて、未必の故意の限度でしか認定できない、という内容でしたが、極めて緻密、丁寧な認定で、聞いていて非常に参考になったことを覚えています。
おそらく、その後任が大野部長、ということになると推測されますが、司法研修所の時の、私がいたクラスの刑事裁判教官で、平成8年から平成9年にかけて私が地検公判部にいた際には、大野裁判官の公判に立ち会っていたこともあり、しかも、現在、高裁4部に係属中の、やや難しい事件を検討中です。この世界は狭いということを実感します。
私の場合、検察庁を去った後は、人事というものに何の関係もなくなり、毎日が快適です。この快適さは、辞めてみないとわからないでしょう。>公務員の皆さん