宮内庁、靖国の陛下参拝要請断る 創立150年で昨秋

宮内庁、靖国の陛下参拝要請断る 創立150年で昨秋(共同通信) - Yahoo!ニュース

天皇の参拝は創立から50年ごとの節目以外でも行われていたが、1975年の昭和天皇が最後。78年のA級戦犯合祀が「不参拝」の契機となったことが側近のメモなどで明らかになっている。

 上記の経緯で参拝が途絶えたことは、側近の日記複数の裏付けがあり間違いないでしょう。

昭和天皇以降の皇室の考え方(あくまで推測レベルですが)に照らすと、昭和天皇の大御心に背いてのA級戦犯合祀が行われたままの状態で参拝が再開することは、まずあり得ないと思います。

一時、分祀はどうかという議論があり、難しいという声もあって、その後、立ち消えていますが、参拝を強く求めるのであれば、分祀も含め何らかの措置が講じられなければ、新たな動きは出ないでしょう。

昭和天皇に「親の心子知らず」とまで言われたA級戦犯合祀が、今に至るまで尾を引き影響していることに不幸なものを感じます。事態打開へ向けて、前向きな方策を講じてほしいものです。

夏季特別展「加賀乙彦展~精神世界の光と闇を求めて~」

kogenbunko.jp

最近、軽井沢へ行く機会があったのですが、この展示をたまたま知って見学しました。

若い頃、

宣告(上) (新潮文庫)

宣告(上) (新潮文庫)

 
宣告 下 (新潮文庫)

宣告 下 (新潮文庫)

 

など、加賀乙彦作品を何冊か読んだことがあり、展示は興味深く、特に、バー・メッカ殺人事件の元死刑囚正田昭の日記や加賀乙彦との往復書簡ノートは、作品中でも取り上げられているものだけに、強い印象を受けるものがありました。

10月初めまで開催とのことですから、軽井沢へ行く機会がある人にはお勧めです。 

 

増補 南京事件論争史

 

 南京事件については、政治に翻弄されてきた歴史がありますが、政治から一定の距離を置きつつ、客観的史実としてはどうかという観点が重要だと私は考えており、その意味で、本書は、現在の研究の到達点やそこに至るまでの経緯を指し示すものであると、通読して感じました。

以前、読んだ

南京事件―「虐殺」の構造 (中公新書)

南京事件―「虐殺」の構造 (中公新書)

 

 と共に、この問題を考える上で、必要に応じて取り出して読んでみる1冊になると思いました。

どういう立場に立つにせよ、かつて国策を誤り、中国国民に多大な犠牲、迷惑、損害を及ぼしたことについて、謙虚に臨まなければならないでしょう。そこは改めて強く感じるものがありました。

 

ペリリュー玉砕 南洋のサムライ・中川州男の戦い

 

ペリリュー玉砕 南洋のサムライ・中川州男の戦い (文春新書)

ペリリュー玉砕 南洋のサムライ・中川州男の戦い (文春新書)

 

 ペリリュー島指揮官だった中川大佐(戦死後に中将)の伝記です。

かつて

指揮官 (文春文庫)

指揮官 (文春文庫)

 

 で中川大佐について書かれているのを読み、その卓越した指揮に強い印象を受け、ペリリュー島を訪問した際には最期の地も訪ねていたところ、この本に接して読むことができ、中川大佐の幼少時から最期までの生涯を知ることができました。

指揮官としての持って生まれた資質、その後の教育、中川大佐本人の努力が相まって、史上稀に見る激戦に持ちこたえることができたであろうことを、改めて強く感じました。

遠い異国の孤島で、故国を想いながら戦陣に散った人々のご冥福を、心より祈らずにいられませんでした。

読みやすく、よく取材されており、ペリリュー島の戦いや中川大佐に関心がある人にはお勧めできる1冊です。

 

佐川元国税庁長官ら再び不起訴 大阪地検特捜部、一連の捜査終結 森友学園問題

佐川元国税庁長官ら再び不起訴 大阪地検特捜部、一連の捜査終結 森友学園問題(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡る一連の問題で、不当に土地を値引きしたとする背任容疑や、学園との取引に関する決裁文書を改ざんした有印公文書変造などの容疑で告発されて不起訴になった佐川宣寿(のぶひさ)・元国税庁長官(61)や財務省職員ら計10人について、大阪地検特捜部は9日、再び不起訴(容疑不十分)処分にした。一連の捜査は終結し、佐川氏らの刑事責任は問われないことになる。

 検察審査会の議決が出た際に、私は、

yjochi.hatenadiary.com

そして、検察審査会の議決が出たわけですが、報道を見る限り、法理論的に無理のないところで、かつ、国民感情や健全な常識に沿った判断が示されており、特に違和感は感じませんでしたし、検察審査会の判断として十分にあり得たものだと感じました。

起訴相当ではなく不起訴不当となった理由は推測するしかありませんが、それだけ微妙さも抱える難しい案件だったということによるのでは、という気がします。そこは、更に踏み込んでほしかったという印象と、難しさへの共感のようなものも併せ感じるものがあり複雑です。

これまでの処理例から見て、検察が再捜査の上で起訴に踏み切る可能性は極めて低い(皆無)でしょう。起訴相当議決ではありませんから、再度の不起訴で本件は終結することになります。

 とコメントしました。

再度の不起訴処分は予想されたことですが、これだけの事件が、専門家によっては起訴すれば有罪になるのではと見ている人もいる状況で、行政組織である検察庁の最終判断で起訴されず、裁判所の判断なしに終わることに、大きな疑問を感じる人は少なくないでしょう。

その意味で、不起訴処分に対する審査の在り方や、海外でのように、起訴、不起訴を決するための大陪審のような制度を、事件によっては導入するといった議論も、今後、必要になってくるかもしれません。

自殺者まで出た事件が、こうした幕切れで終わることに、もやもやとしたものを感じているのは、おそらく私だけではないでしょう。

森友改ざん、職員自殺は「労災」 財務局認定、過重公務と因果関係

森友改ざん、職員自殺は「労災」 財務局認定、過重公務と因果関係(共同通信) - Yahoo!ニュース

財務省は調査報告書で、文書改ざんは当時理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官(61)が方向付け、本省が財務局に指示したと明記していた。今回の認定は本省幹部が遺族を訪ねて報告、謝罪したといい、不正を再び起こさない取り組みが問われる。

 特捜部が捜査するような事件(過去のロッキード事件とか)では、関係者の中で、上から命じられて嫌々動いていたような人が、捜査の進展の中で、心労、ストレスで自殺するといったことが起きがちです。

捜査機関には、そういうことが起き得るということを常に念頭に置いて、今後も、関係者が追い詰められないように、十分な配慮をしつつ捜査を進めてほしいと、改めて強く思います。

弁護人として関与するような人にも、弁護することばかりに目が行って、関係者の追い詰められように無頓着にならないよう、注意を払ってほしいと思います。

人の命はかけがえのないもので、失われたら戻ってきません。このような犠牲者が出たことは痛恨の極みであり、ご冥福をお祈りします。

 

埼玉・幸手市長「料金巡りトラブル」 広島で暴行容疑で逮捕

埼玉・幸手市長「料金巡りトラブル」 広島で暴行容疑で逮捕(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

逮捕容疑は7日午前2時半ごろ、広島市中区新天地の雑居ビルにあるバーで、女性店員(20)の顔を拳で数回殴ったとしている。「全く身に覚えがない」と容疑を否認しているという。

 この種の事件は、検察庁にいるとかなり警察から送られてくるものですが、酔って覚えていなくて、という否認(「酩酊否認」と言っていましたが)は、結構あるものです。

私は、お酒にあまり強くなく、人並み程度は飲めますが、飲みすぎると眠くなって寝てしまうほうなのでこういうトラブルは起こしようがないのですが、飲んで記憶がなくなるタイプの人は、こういうとトラブルにも発展しかねないので、飲み過ぎないよう、十分注意すべきです。

そういう人が思い切り飲みたいときは、自宅で飲むとか、理解のある知人、友人(飲み過ぎたら送ってくれるような)と一緒に飲むようにすべきでしょう。

幸手市長が実際に暴行に及んだかどうかは、今後の捜査に待つしかないですが、今秋、市長選挙が予定されているようで、選挙への影響も無視できないものがあるでしょう。