「戦争というもの」

 

 今年1月に惜しまれつつ逝去した半藤一利氏の最後の著作、ということで、読んでみました。

雑誌に連載した上で、加筆して出版という予定であったようですが、体調悪化、逝去により、雑誌連載のものをまとめて出版ということになったようです。戦時中の著名人の言葉、流行った言葉などを紹介しながら、昭和史の紹介や半藤氏のコメントが付せられていて、奥深いものがあり勉強になりました。

朝鮮半島情勢、台湾情勢など、日本の周辺で危機が迫っていて再び日本が戦争の渦中に投じられる可能性が増しているような情勢ですが、過去に学びつつ日本の進路を誤らないようにすべきであり、半藤氏もそれを切望していたことでしょう。

本書を孫である編集者に託そうとしたことに、生ける我々に託したい半藤氏の気持ちが伝わってくるように思います。

日米開戦80年、終戦76年の、終戦記念日を前に、良い本が読めたと感じています。