アップルストアも略奪の餌食に 頻発する組織的窃盗への悲しき対策

アップルストアも略奪の餌食に 頻発する組織的窃盗への悲しき対策:日経ビジネス電子版

米国の流通大手は組織的犯罪集団による略奪行為に悩まされており、もはやその被害を減らす最終手段として店舗閉鎖を選ぶしかないという状況にまで追い込まれています。

戦後の日本は、民主主義を謳歌し豊かな社会であるアメリカを目標とし、追ってきた面があります。今でもアメリカを礼賛する風潮には根強いものがあります。しかし、そのアメリカでトランプ大統領の出現に見られる民主主義の混乱や、記事にあるような集団略奪の横行が発生しているのは、日本にとっても決して他人事ではないでしょう。理想的であったはずの社会が、貧富の拡大、分断化等々によりこうして崩壊していくことを、深刻に捉える必要があります。

日本でも一億総中流と言われた時代は過去のものとなり、貧富の差は拡大し、貧しい人々はますます貧しくなっています。若者の非正規雇用者も増え、低賃金で結婚もできず明るい未来が描けない人々が増えています。そうした社会で、自暴自棄に陥った人々が、犯罪のダークサイドへと堕ちていく、そういう未来が、日本でもすぐそこに来ているという危機感を、我々は持つべきでしょう。

昔から、最良の社会政策は最良の刑事政策であると言われてきましたが、人々の生活を豊かにし社会を安定させることこそが、治安情勢を悪化させず安定させる最良の方策であると、改めて感じます。