「日本列島改造論」と鉄道

 

本書は、有名な日本列島改造論中の鉄道に関する部分に着目し、歴史の中で日本の鉄道が発展してきた状況やその中で出た日本列島改造論、その後の新幹線や赤字ローカル線の推移を紹介しつつ今後の方向性を検討していて、鉄道に精通した著者らしい、なかなか読ませる内容でした。

日本列島改造論の中で、田中角栄は、ローカル線は赤字であっても維持すべきで、それが地域、社会の維持、発展につながると述べているところ、現状の赤字ローカル線の問題の中でも、単に経済的に引き合わないから廃止するでは片付けず、上下分離など様々な方策を講じつつ公共性、災害対策等の観点で維持されているものもあります。著者は、そういった流れの源流を日本列島改造論に求めていて、何かとネガティブに語られがちな日本列島改造論ですが、今日的な視点で改めて見つめ直す必要性を感じるものがありました。

今年の3月に

が出ると知り、早速、予約しておきました。通して読んだことはないので、この機会に読んでおきたいと思います。