昨年に、
を読んだところで、こちらにも興味を感じで読んでみました。
この著者の本は、
を既に読んでいて、他にある
も読もうとしているのですが、後に出た「東條英機」のほうを先に読むことになりました。
著者は、1944年に、東條英機が首相、陸相、参謀総長を兼務して強力な戦争指導を行おうとし、しかし、サイパン島陥落を機に退陣したことを、当時の統治構造とも絡めて論じようとしたようですが、その目論見は、読んだ印象として成功しているようには思えませんでした。当時の統治構造(権力が多極化して決定権者が曖昧、責任の所在が不明確)と、東條英機やそれを巡る問題は分けて論じるのが、やはり適当、相当なのではないかという気がします。
それはともかく、本書では、東條英機を軸にしつつ、日本が戦争に突入し時代に敗色濃厚になっていく経緯をコンパクトにわかりやすく紹介していて、そこだけでも読む意味、価値はあったと感じています。
著者には、今後も、昭和史における様々な人物に光を当てて、読み応えのあるものを書いてほしいと期待しています。