「なぜ必敗の戦争を始めたのか 陸軍エリート将校反省会議(文春新書)」

 

 昭和50年代の初めに、旧陸軍の親睦団体偕行社で行われた座談会を再録し、半藤氏の解説を付したもので、昨年に出たのをちょっと読んだままになっていたのを、一気に通読しました。

戦史を知っている人にとって、日本を戦争に引きずり込んだ陸軍、それに抵抗して敵わなかった海軍という、陸軍悪玉論、海軍善玉論というものがあります。最近は、そういう単純なものではなく、海軍内にも日米開戦を積極的に志向していた勢力があったことが知られてきていますが(第一委員会など)、この座談会では、陸軍側から見たそういった動きが赤裸々に語られていて、ややわかりにくいところもありますが、なかなか興味深く参考になるものがあると感じました。

南進論、北進論が戦われる中、米国の出方を見誤り、南部仏印進駐により石油の全面禁輸を招いて、開戦へと舵を切らざるを得なかった国策の誤りを、改めて強く感じるものがありました。

最近、

 も徐々に読んでいるところなので、ますます読書に気合が入りそうです。