死刑囚の記録

 

死刑囚の記録 (中公新書 (565))

死刑囚の記録 (中公新書 (565))

 

 先日、軽井沢で

加賀乙彦~精神世界の光と闇を求めて~

kogenbunko.jp

を見学する機会があり、以前から関心があった加賀乙彦氏の著作をまた読んでみたくなって、Kindleで落とせたこれを読みました。昔からずっと紙の本で持っていたのですが、拾い読みしたりで通読できていなくて、今回、きっちりと通しで読めました。

加賀氏は、東京拘置所勤務の医師として、また、その後は様々な死刑囚、無期囚等々の交流を通して、彼らの精神状態、心理状態について、専門家として分析しつつ具体的に紹介しています。中には著名な事件の死刑囚等もいて(三鷹事件で死刑判決を受け、最近再び話題になっている人物も)、事件についても想起しつつ、興味深く読むことができました。

死刑問題を論じる上で、単に抽象的に考察するのではなく、こういった具体的なケースを様々に見つつ、死刑制度の在り方、実効性、死刑確定後の処遇(減刑を含め)を考察するのは重要なことだと思います。そういった意味で、参考になる読書となりました。