世界史を動かした脳の病気 偉人たちの脳神経内科 (幻冬舎新書)

題名通り、世界史上の著名人について、その健康状態を医師である著者が分析して、行動、判断の背景を推定するという内容で、同種の本はそれなりにありますが、分析内容に合理性が感じられ、かつ、説明も平明で、おもしろく読み終えることができました。
実は健康状態に、脳の状態に問題を抱えているという人が政治家、指導者になって重要な判断を下すことは、誤った判断により多くの人々を不幸な方向へと導くことになります。そういう危険性を感じさせるとともに、そうなってしまった場合に(なりかけた場合を含め)どうすべきかということを、日頃から真剣に考えておかなければならないということも痛感しました。
それは、身近な人がそうなった場合にどうするかという問題にも通じるものでしょう。いろいろと考えさせられる1冊でした。