前田庸氏死去(元東京証券取引所グループ社外取締役)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201311/2013110500732

私が司法試験を受験していた昭和の終わり頃は、商法の論文試験で出題される2題のうち、1題は会社法から、もう1題は手形小切手法からというのが通例で、受験生は、皆、かなりの時間をかけて手形小切手法を勉強していたものでした。
手形理論について、交付契約説と創造説が分かれている状況で、私は交付契約説で勉強していましたが、受験界の圧倒的な多数説は創造説で、当時は前田先生の教科書がかなり多くの受験生に読まれていたことが思い出されます。私も手元には置いて必要に応じて読んでいました。
最近は、手形小切手法も、昔ほどは受験生が勉強しなくなったようで、前田先生の訃報に接し、時代の流れ、移り変わりということを感じました。御冥福をお祈りします。