殺人事件の元裁判員 ストレス障害に

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130418/t10014012281000.html

弁護士によりますと、女性は、裁判の中で、殺害現場や被害者の遺体のカラー写真などを見てから、その画像を思い出し、食欲がなくなったり、眠れなくなるなどの症状に苦しんでいるということです。
女性は、裁判のあと、裁判員の心のケアに当たる最高裁判所の窓口に相談し、先月、県内の病院で、1か月の休養が必要な急性ストレス障害と診断されたということです。

私が、こうした画像や遺体(解剖に立ち会うということで)を見るようになったのは、司法修習生の時から出、検察庁にいた当時は、解剖にも結構な数、立ち会いましたが、最初の頃(司法修習生の頃)は、精神的にきつかったことが思い出されます。もしかしたら、重度ではないものの、ストレス障害になっていたのかもしれません。次第に慣れてはきましたが、特に解剖は、仕事という意識を強く持つから何とか見ていられるものの(見ているだけではなくいろいろとチェックするところもありますが)、精神的には負担になり楽なものではないという意識はずっとありました。一般の方が、写真で、悲惨な場面を見ると、上記のような記事で紹介されているようなことにもなる、というのは、よくわかりますね。
最高裁は、事後にカウンセリングをして、ということで済ませようとしているようですが、この種の事件では、事前に、ストレス耐性の高くない人をできるだけ裁判員に就かせないようにする、ということも必要でしょう(方法はなかなか難しそうですが)。また、検察庁も、悲惨な写真を見せつければ裁判員が厳罰意識を強く持つだろう、といった、検察庁的な、マッチョで野蛮な意識を抑制して、裁判員に過度なストレスを与えないように工夫する必要もあると思います。今後の改善、工夫が強く求められるところでしょう。