派遣先でウイルス試作か 遠隔操作、容疑者を起訴

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2204Z_S3A320C1CC1000/

被告が派遣先の東京都港区の会社で使っていたパソコンを解析した結果、遠隔操作ウイルスに使われたプログラム言語「C#(シー・シャープ)」でウイルスを試作したとみられる痕跡が残っていた。同被告は「C#は使えない」と主張している。

起訴が、どういう証拠に基づいてされたのか、証拠構造がわからないため、その当否を判断しかねますが、これまでの捜査経緯(誤認逮捕を繰り返し国民の厳しい批判を浴び信頼を大きく損ねた)から見て、特に検察庁は相当慎重に捜査に臨んだはずで、状況証拠からはクロだからやってみようか、程度の起訴ではないだろう(現時点での検察庁の判断としては)、という推測は成り立ちます。私が主任検事や上司であれば、「決め手」になる、被疑者と犯行をダイレクトに結び付ける証拠がなければならない、と考えるはずで、その意味で、上記の「痕跡」(これまでも曖昧なまま繰り返し報じられてきましたが)が、決め手になっている可能性はあるでしょう。もちろん、それで有罪になるかどうかは不明で、今後、全面否認の被告人、弁護人と全面対決ということになります。
今後、公判前整理手続で、争点や証拠が整理される可能性が高いと思われますが、その過程で、検察庁が持つ証拠の全貌がわかることになります。状況証拠程度のぜい弱なものなのか、犯人性を強固に立証できる確固としたものなのか、遠からず明らかになるはずです。
起訴されれば有罪、というわけではありませんから、今後とも、慎重にこの事件を見る必要があるでしょう。