シンデレラ・エクスプレス

http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND2662/index.html

300系のぞみのラストランがニュースで大きく取り上げられていて、あの名曲「シンデレラ・エクスプレス」が流れる、かつてのJR東海のCMも繰り返し目にして、久しぶりに、この曲をじっくりと聞いてみました。
冒頭の「ガラスに浮かんだ街の灯に溶けてついてゆきたい」というフレーズが、CMに出てくるような、切ない女心を、この短いフレーズで余すところなく描き出していることに、巧みであり素晴らしい表現力であると思いました。
曲の2番で、「出逢えたことをとても感謝して」とありますが、振り返ってみると、この曲が世に出た昭和の終わり頃は、今のように、インターネットも普及しておらず、もちろんSNSがあるわけでもなく、人と人(特に男女)とが出逢うことが今よりも遥かに難しいことでしたし、コミュニケーションを取ろうにも、携帯電話やメールも普及しておらず、固定電話で長距離をかけると電話代が高いなど、コミュニケーションを取ることそのものがなかなか難しかったことが思い出されます。そういった状況の下、出逢えたことに素直に感謝する、切ない女心も、この曲ではよく出ていると感じました。
300系のぞみは、20年間の日本を支えて走り続け、その使命を果たしたと思います。ニュースで、ある男性が、子供が産まれたらすぐにのぞみで駆けつけてくれるはずだった母親が危篤になりのぞみで大阪へ行ったことが忘れられない、と涙ながらに語っていましたが、そういった、数多くの喜び、悲しみを乗せて走り続けた300系のぞみや、その間の日本の変貌、紆余曲折を経て市井の片隅で生きるしがない弁護士となった自分、といったことに、シンデレラ・エクスプレスを聴きながら、しばし思いを馳せていました。