http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20110906/1037609/?ST=hitken&ref=rn
そもそもネット上での“忘れてもらう権利”とは何であろうか。
一度ネット上に個人情報が出ると、多くの場合それはネット上に残り続ける。例えばネット上のショップで買い物などをした際にメールアドレスなどの個人情報を登録すると、延々とメールが送られてくることが多い。しかし、そうした事態は個人のプライバシーを侵害しており、個人はネット上で自分に関する情報を削除させる権利を有するという考え方である。
この“忘れてもらう権利”は、ヨーロッパでは当たり前のように主張される場合が多い。
大西洋をはさんだ反対側の米国ではまったく事情が異なる。一言で言えば、ネット上での“忘れてもらう権利”はまったく通用しないのである。
それは、米国では政府がネットの自由を標榜している面もあるのだろうが、それ以上に、一般的に表現の自由や情報への自由なアクセスが重視され、それと個人のプライバシー侵害との比較考量が求められるからである。
この「忘れてもらう権利」というのは興味深いですね。インターネットでの検索が普及してくると、ネット上の様々な情報が、いつまでも残ることで、はるか昔の、今となっては他人に知ってほしくないようなことが、延々とさらされてしまうといったことが簡単に起きてしまいます。そういった事態について、プライバシーとの比較衡量によりケースバイケースで決める、と日本でも考えがちですが、ざっくりと、「忘れてもらう権利」といった構成にして、忘れてもらうわけには行かない例外を考えるという方法も、この問題を解決する上では有効かもしれない、という印象を受けます。
なかなか興味深い記事であると思いました。