http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20120706-00024929-r25&vos=nr25ln0000001
「人間は失敗をする生き物である以上、誰だって今更知られたくない過去のひとつやふたつはあるものです。友人は昔話を忘れてくれますが、コンピュータは絶対に忘れません。現実的な問題として、過去のプライバシーがネット上に残り続けていることで苦しんでいる人、社会的にネガティブな影響を受けている人は多数存在しています。現在の法律はこうした状況に対応しきれておらず、出るべくして出た法案だと言えますね」
と語るのは、名誉毀損やプライバシー侵害などの問題に詳しい弁護士の落合洋司氏だ。
「とはいえ、実際に運用するにあたっては削除の正当性が求められるはず。どんなケースでも個人のプライバシーが最優先されるわけではなく、たとえば何らかの事件性があったり、報道目的で掲載されている情報など、削除しない方が公共の利益にかなうと判断されるような事例もありえます。その線引きをどうするかが問われるでしょうね」
「法制度は国によって変わりますが、ネットは国を越えてつながっている以上、影響を受けることは必至です。昔から欧州には“個人の権利は最大限に尊重するべき”という風土があり、今の日本における個人情報保護の考え方も、そもそもは欧州から輸入してきたもの。ネット上におけるプライバシーについても、今後ますます議論が進められるでしょう」
この問題については、今年の1月にも取材を受けコメントしたことがありますが、
ネット上の個人情報を削除してもらえる「忘れられる権利」 EUで法案化
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20120129#1327765111
日本でも注目が集まりつつあり、今後、法制化も含め検討される可能性が出てきそうですね。
名誉毀損やプライバシー侵害、といった既存の法理ではカバーしきれない、存在することが人格権に影響を及ぼすような過去の情報について、公共の利益や正当な関心とバランスを取りつつっ削除すべきは削除できる安全弁のような機能を果たせる可能性もあり、今後もさらに議論を深める必要があると思います。