食べログ掲載の投稿情報、削除認めず 札幌地裁判決

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG0402Y_U4A900C1CR8000/

判決理由で長谷川恭弘裁判長は「原告の会社は法人であり、広く一般人を対象に飲食店を営業しているのだから、自己の情報を『個人』と同じようにコントロールする権利はない」と指摘。
さらに「原告の請求を認めれば、情報が掲載される媒体を選択し、望まない場合は掲載を拒絶する自由を原告に与えることになる。他人の表現行為や得られる情報が恣意的に制限されることにもなり、容認できない」との判断を示した。

判決直前に、マスコミからこの件について聞かれた際、原告が「営業権の侵害」を主張していると聞きましたが、名誉毀損業務妨害プライバシー権の侵害といった、何らかの具体的な権利侵害以前に、およそ自分についての情報(特に誰もが知りうる公開情報)を承諾なく利用させない権利(のようなもの)を肯定してしまうのは、現行の法秩序の中では不可能でしょう。そのような権利(のようなもの)を肯定してしまえば、その反面で、表現の自由が著しく過度に制約されることになりかねない、というのは、上記の記事で紹介されている判決が言っている通りではないかと思います。
こういった情報サイトの情報を問題にする際には、やはり、名誉毀損業務妨害等の、具体的な権利侵害をうまく主張、立証しないと、目指す効果(削除など)を出すのは難しいというのが現状だと思います。