不起訴の事件一転起訴 合法でも異例 地検姫路支部

http://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/0003561412.shtml

逮捕後の尿検査で覚せい剤反応が出たとして、神戸地検姫路支部は使用の罪で起訴。さらに被告が署内で、靴の中に覚せい剤約0・7グラムを隠し持っていた疑いも浮上したが、同支部覚せい剤所持容疑や女性への傷害容疑は、嫌疑不十分で不起訴とした。
 しかし、覚せい剤使用について、神戸地裁姫路支部の杉田友宏裁判官は今年4月「他人に飲まされた可能性が否定できない」と無罪を言い渡した。検察側は控訴し、11月に控訴審初公判が予定されている。
 被告は釈放されたが、地検姫路支部は9月、いったん不起訴とした覚せい剤所持の疑いで逮捕し、傷害の罪と合わせて起訴した。同支部の関係者によると「新たな物証がみつかった」としている。

違法でないが異例 【東京地検の元検事・落合洋司弁護士の話】 不起訴の判断を検察自身が翻して再捜査し、起訴に持ち込むのは極めて異例だ。違法ではないが、合理的理由がある場合に限るべきだ。今回のケースも、新証拠が出てきたなら起訴に問題はない。だが被告に不利益を与えたのは事実で、当初の捜査が不十分だったとの批判は免れないだろう。

不起訴処分には、判決のような既判力(一事不再理効)がなく、「再起処分」といって、再び立件したうえで捜査し、起訴することも可能と、一般的に考えられています。
また、上記の公判で問題になっている公訴権の濫用について、最高裁判例は、検察官の職務犯罪を構成するような極限的な場合でないと成立しないとしていて、成立するハードルが極めて高いのが現状です。
ただ、中途半端な捜査で不起訴にしておき、後になって再起して捜査をする、といった蒸し返しがおきるようでは、関係者に対し無用な負担を与え法的安定性を害することになり、そういった不利益が、公訴権濫用といった形で救済できないのであれば、有罪になった場合は量刑で大きく考慮するなど、何らかの手当ては必要ではないかという印象を受けます。
こういったケースが起きてくるのも、検察庁の捜査力が全体として低下している現れなのかもしれません。