http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090828-00000512-sanspo-ent
東京地検は28日、女優の酒井法子容疑者(38)を覚せい剤取締法違反(所持)の罪で起訴した。使用罪についても追起訴する方針とみられる。
私自身の見方としては、所持量が微量で起訴が難しいのではないか、と考えていましたが、報道によれば、使用目的で所持していた、という自白は得られたということで、他の証拠とも総合し所持罪は十分証明できると考えられたのでしょう。ただ、証拠の核心部分である「自白」については、今後、慎重に評価されるべきではないかという印象も受けます。
使用罪については、継続捜査ということになるようですが、元々、尿鑑定で覚せい剤成分が陰性で、使用時期の特定が鑑定結果によっては難しく(毛髪鑑定でも困難)、通常は起訴しない(できない)事案であり、例外中の例外として起訴するとしても、具体的、詳細な自白やそれに沿った十分な裏付けが不可欠でしょう。今後の捜査で、それがどこまで可能なのか、疑問は感じます。この辺は、東京地検のお手並み拝見、というところでしょうか。
保釈の可能性については、既に追送致され継続捜査するという使用、夫が再逮捕された別荘での覚せい剤所持といった余罪(余罪になり得る可能性を含め)があり、現時点で保釈請求が出ても、裁判所がすぐに保釈を認めるという事案ではないように思います。仮に保釈決定が出ても、そういった余罪による再逮捕、という可能性があって(そうなると、せっかく保釈が出ても空振りになる)、弁護人としては、保釈請求をすぐに出すべきかどうか、慎重な検討を要するタイプの事件と言えるでしょう。
当面は、保釈になるかどうかが問題となりつつ、使用罪、他の所持罪による追起訴があるかどうかが焦点になるという展開になると思います。