心神喪失と診断、勾留17年の被告が自殺か 千葉

http://www.asahi.com/national/update/0809/TKY201008090186.html

死亡した被告は92年10月、千葉県松戸市のガソリンスタンドで店長(当時38)を殺害し、現金約56万円を奪ったとして逮捕された。起訴後、千葉地裁松戸支部で裁判が始まったが、被告は裁判官らとの受け答えもままならず、精神鑑定で「心神喪失」と診断された。同支部は94年12月に公判停止を決定したが、被告は専門の病院で入院治療を受けることなく、拘置施設に留め置かれた。

被告の元弁護人は「裁判所や地検は『被告の訴訟能力の回復を待つ』と説明していたが、医療機関への入院など適切な治療を受けさせなかった。自殺という重大な結果を招いた責任は重い」と指摘している。

昨年、

勾留16年、判決まだ 心神喪失の強殺被告、再犯を懸念
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090317#1237275380

とコメントした事件ですが、その際に、

未決勾留が事実上の終身刑になってしまうという、刑事訴訟法が想定していない、由々しき事態が生じてしまうでしょう。現に、記事にある事件では、そういった事態が起きつつあります。

とコメントした、正にそのような事態が、最悪の結末とともに生じてしまった、ということを強く感じます。
訴訟能力の欠如により公判手続が停止され勾留が継続されている被告人については、訴訟能力回復のため、裁判所の監督下、入院等の上で必要な治療が受けられる制度を整備する必要性を感じます。