硫黄島 栗林中将の最期

硫黄島 栗林中将の最期 (文春新書)

硫黄島 栗林中将の最期 (文春新書)

硫黄島の指揮官として今やあまりにも有名な栗林中将ですが、以前、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070116#1168875020

でコメントしたように、その最期については、勇敢に散ったのではないという異説もあり、この本では、このエントリーで取り上げたドキュメントを含め、硫黄島を巡る5つのドキュメントが掲載されていて、帯でうたわれているように、同じ著者の

散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道

散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道

の完結編のような位置付けになっています。文章がうまくてわかりやすいこともあって、往事の硫黄島やそこで懸命に闘った将兵、その家族の思いがひしひしと伝わってくるようで、読み応えのある1冊でした。
著者の綿密な調査により、上記の異説は否定されていますが、硫黄島で散ったすべての魂に対し、安らかに眠ってほしいと願うばかりです。