マイクロソフトやシマンテックが基調講演 クラウド普及にともなう課題はプライバシー

http://www.atmarkit.co.jp/news/201003/03/rsakeynote.html

クラウドコンピューティングが広まれば広まるほど、多くの情報がクラウド上に保存されることになる。チャーニー氏は「情報をどこまで、誰に公開してもいいのかをコントロールする権利を、ユーザー自身が持ち続けることが重要だ」と述べ、既存の環境と同様、クラウドコンピューティングにおいても「エンドツーエンド」のセキュリティを適用すべきだと述べた。

セーラム氏はまず、クラウドコンピューティングをめぐっては、すでに触れられたとおりプライバシーやセキュリティ、コンプライアンスといった課題が存在していると述べた。続いて、Windowsを搭載したPC以外の携帯電話などの機器が急速に普及していることにも触れた。「こうした機器はインターネットにも、企業ネットワークやその中のデータにもアクセスできる。どうやってこれらのセキュリティを確保すべきかが課題だ」(同氏)。さらに、Facebookをはじめとするソーシャルネットワークの人気が高まった結果、「意図せず機密性の高い情報を公開してしまうといったリスクを生み出している」という。

「今、そこにある危機」ということが端的に紹介されていて興味深いものがあります。
クラウド」の流れの中で、人は知って、あるいは知らずして、個人情報を様々な形で他人に預け、委ねてしまっているということは、重要であり、また、それだけ危険性が増大しているという認識は、今後、ますます必要とされるでしょう。
限られた組織や人が、膨大な個人情報を手中にしてしまうということは、その情報を自由自在にコントロール(良くも悪くも)することで、様々な場面で主導権を握ることにつながり、極端な場合、多くの人を事実上支配し、独裁的な権力を振るうことにもつながりかねません。
こういった問題状況の中で、性善説に立ち単に組織や人の良識に委ねて事足りるとするのではなく、問題の在り方に応じ、必要な法規制を行うなど、取り返しがつかない事態にならないよう、適切に手を打ってゆくことが、今後、ますます重要になるように思われます。