鳥取の2人殺害の裁判員裁判 被告への求刑は無期懲役

http://www.asahi.com/national/update/0226/OSK201002260075.html

検察側は「2人の命を奪った結果はきわめて重大だが、追い詰められた末の犯行で、一定の同情の余地は否定できない。遺族は積極的には極刑を望んでいない」として無期懲役を求刑した。

裁判員の負担を考慮した。」などと、奇妙な見方をしているマスコミもあるようですが、検察庁としては、この種の強盗殺人事件(被害者2名)では、基本的には死刑求刑ではあるものの、情状によっては無期懲役という求刑、量刑もあり得ることから、慎重に証拠評価をした上で、無期求刑にとどめたということで、それ以上でもそれ以下でもないでしょうね。裁判員が気の毒だから、負担をかけては可哀想だから、ということで重い求刑を控えるほど、検察庁という組織には親切心も思いやりもありません。
ただ、この種の事件について、裁判員制度の中でいかなる量刑が妥当かということが考えられる上で、本件は微妙なケースであったということは言えるでしょう。死刑が相当という裁判員が多数を占めるということもあり得たかもしれません(それが妥当な量刑かどうかはともかく)。その意味で、無期求刑にとどめたことで、裁判員の選択の余地を狭めてしまった、ということは言えるかもしれません。