「メモ取らず審理集中を」=裁判員へ呼び掛け−意識分散を懸念・最高裁

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090125-00000024-jij-soci

裁判員が法廷でメモを取ることは自由だが、最高裁は有罪、無罪や量刑を決める評議の場では、法廷で撮影した録画を再生することで、裁判員の記憶を補うことにしている。
報告書は、これまでに全国で行われた模擬裁判で、裁判員役がメモに集中している姿が多く見られたと指摘。裁判官3人と裁判員6人の全員が下を向いてメモを取っていた事例も挙げ、「『目で見て耳で聞く審理』の裁判員裁判では、正常な事態とはいえない」とした。

この問題はなかなか難しいですね。私の場合、弁護士で、前は検事をやっていましたが、当事者ですから、他人の尋問を聞いている時には、その後に自分が反対尋問とか再主尋問を行うためには、まめにメモをとらざるを得ません。そうでない時には、メモは簡単にして、尋問を見て聞く、ということができますが。
メモを取るメリットとしては、見て聞いたことをメモすることで、情報が整理され後にメモを見た際に頭の中が整理しやすいということでしょう。デメリットとしては、証言、供述する人の姿、表情等に集中できないことで、微妙な心証がとりにくくなる、ということがあると思います。
裁判官や裁判員は、詳細な反対尋問等を行う立場にはないので、特に裁判員は、メモはポイントについて簡潔に取る程度にとどめ、証言者の姿、表情等をよく見て、的確な心証を取るように努めたほうが良いのではないか、という気はします。