当番弁護士を再派遣、冤罪事件受け富山弁護士会が運用変更

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080809-OYT1T00773.htm

日本弁護士連合会は「当番弁護士制度は、ほとんどの県で容疑者の要望で初回だけ無料で行っているが、規則まで改正し、再派遣などするのは全国的に珍しい」としている。

今回の改正では、当番弁護を行った際の報告書類をより詳しくし、役員がチェックすることも盛り込む。

こういった試みを否定するつもりはありませんが、そもそも、当番弁護士という制度は、刑事事件に経験がない、あるいは乏しい弁護士を大量に包含した状態で動いていて、そういう中で、非常に問題のある事件が発生した場合に、どこまで対応できるか、ということになると、かなり厳しいものがあるのが現実です。
最近も、ある刑事事件で、当番弁護士が接見した後に私選で選任され、当番弁護士が話した、という内容を被疑者から聞きましたが、被疑者側の勘違いがあるかもしれない、ということを割り引いて考えても、間違ったことを平気で吹聴していて、困ったものだと思いました。今後、弁護士数がどんどん増えれば、刑事事件に経験がない、あるいは乏しい弁護士も必然的に増えますから、このままでは、当番弁護士による不適切弁護、弁護過誤といった事例もかなり出てくる可能性が高いでしょう。
否認事件について当番弁護士を再派遣する場合は、刑事事件に一定以上の経験がある弁護士を派遣するようにするなど、よりきめ細かい対応が求められるような気がします。