パソコンが使えない弁護士

http://d.hatena.ne.jp/tamago2/20080713#1215931539

私が司法修習生になったのは昭和62年ですが、その当時は、この業界に、徐々にワープロが導入されてきた状態でした。ただ、正に「徐々に」という状態で、裁判所や検察庁には、まだタイピスト(懐かしい響きですが)がいて、例えば、私が修習した広島地方裁判所にも、1階にタイプ室があり、タイピストが集まって、日本語タイプを使い、特有の音を出しながら、タイプで判決文などを打っていたものでした。
文書を全部が全部、タイプ打ちできないので、冒頭陳述や弁論等には、手書きのものも結構ありました。また、そのころは供述調書もほとんどすべて手書きで、読みにくい調書があると、本当に読めなくて苦労したものでした。
こういったタイピストの人たちは、ワープロ、パソコンが普及する中で徐々にその使命を終え、裁判所や検察庁では、タイプ以外の通常業務を担当するようになりました。以前、どこかの検察庁にいた際、休日の当直事務を行うに当たっての責任者の事務官が割と年の行った女性で、おろおろしているので聞いたところ、タイピストから一般事務を扱うようになって日が浅く、キャリアは長いので当直の責任者になってしまっているが、やり方が全然わからない、というので、大変だな、と思った記憶があります。
そのような状態が、平成に入り、徐々にワープロからパソコンへ、という流れになり、手書き、といったものはなくなってきて、現在に至っていますが、そういった流れに乗れなくて取り残されてしまった、という人も、年配者を中心に、どうしてもいるのでしょう。ただ、今からでも遅くないので、まずは、パソコンを使って遊ぶところから始め、徐々に慣れると良いのではないかと思います。