野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉

野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉

野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉

楽天・野村監督による、一種の名言集です。長年にわたる様々な体験に裏打ちされているだけに、なかなか読み応えがあって、野村ファン以外にも参考になる内容です。
野村語録の中で、私が最も好きな言葉は、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」ですが、これも、132ページでしっかり紹介されています。
私の場合、野村監督のレベルには遠く及びませんが、成功したこと、うまく行ったことは、参考にならないのでさっさと忘れることにしている一方、思ったように物事が進まなかったことや、考えていたことが裏目に出た経験などは、しっかり記憶に刻みつけ、物事が、一見、調子よく進んでいるようなときは、敢えて記憶の片隅から引っ張り出し、自分自身を戒めつつ敗因を整理するようにしています。
例えば、過去に本ブログで

虚偽自白
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050128#1106841589

と振り返ったことがある苦い体験は、検察庁在籍当時は何度思い出したかわからないくらい繰り返し思い出したものでした。
物事が思ったように進まず惨めであった自分、というものを、記憶の中でじっと見つめることで、そうならないためにはどうすべきか、ということへの真剣な思いが生まれてくるように思います。
成功体験というものは甘美で心地よいものであり、それに捕われ大きく失敗する人や組織は多いものですが、いかにそのような落とし穴に落ちずに生き抜くか、ということを考える上でも、この本は役立つのではないか、という気がします。