「厳罰を」思い届かず…遺影胸にむせび泣く父、涙の母

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_08010851.htm?from=ranking

川口裁判長は、業務上過失致死傷罪などでの最高刑を適用した量刑理由の説明で、紘彬ちゃんと倫彬ちゃんが博多祇園山笠で台上がりをする姿や、紗彬ちゃんの花嫁姿を夢見ていた大上さん夫婦の悲しみに言及した。
「夢や希望に満ちあふれた人生を迎えようとしていた3児は、多くの喜びや楽しみを味わうことなく短い一生を終えなければならなかった」。川口裁判長が3児の無念に触れると、かおりさんはこらえきれず何度もハンカチで涙をぬぐった。哲央さんも唇をかみしめながら、声を殺してむせび泣いた。

気の毒と言うしかなく、この判決が出た後、私は、いつも重く沈みがちな気持ちが、ますます重く沈んで行くような気がしています。刑事事件というのは、やればやるほど、接すれば接するほど、悲しく、切ない気持ちになって行くような面がありますが、改めて、そのように感じます。
事実を証拠により認定し、法を適正に解釈、適用することは、時に、本当にかわいそうで気の毒な人々の期待に沿えない結果を生む場合があります。この福岡事件の判決内容が妥当なものかどうかは、今後、予想される控訴審や上告審できちんと検証されるはずですが、このような判決を宣告した裁判長、陪席裁判官の心労にも、かなりのものがあったのではないか、と推察されます。
この判決が、厳しく批判されるのは当然のことですが、感情等とは切り離されたところで、冷静に事実認定や法の解釈適用等を行うべき裁判所の立場、というものにも、思いを致す必要がある、という気がします。