「賢者の贈りもの」O・ヘンリーと妻アソル

http://www.asahi.com/travel/traveler/TKY200712210263.html

クライマックスはもちろん、ジムとデラがクリスマスの夜にプレゼントを交換する場面だ。帰宅したジムは、ばっさりと髪を切ったデラを見て驚く。かつら屋に髪の毛を売って、ジムの宝物である懐中時計に似合う鎖を買っていたのだ。ところがジムは懐中時計を売って、デラの長い髪に似合う上等のくしを用意していたのである。
相手の大切な物のために自分の大切な物を犠牲にしてしまう。贈り物は無駄に終わるが、お互いの深い愛情をこれ以上はない形で確かめ合える。意外な結末で読者をあっと言わせる「O・ヘンリー・サプライズ」の中でも、とっておきの心温まるサプライズ――。

「賢者の贈りもの」は、高校時代に読みましたが、他に何作か読んだO・ヘンリー作品の中では、「取り戻された改心」と並んで心に残るものがありました。上記の朝日の記事で、この作品に登場する妻が、実在したO・ヘンリーの妻をモデルにしていると考えられていることを知り、改めて読んでみたくなりました。
今日はクリスマス・イブ、明日はクリスマスで、日本だけでなく、世界中でクリスマスが祝われ、プレゼントが取り交わされることと思いますが、大切なのは、やはり、豪華さ、高価さといったことよりも、クリスマスを祝いよろこぶ人の心ではないか、と思わずにはいられません。