相次ぐ無罪判決、8高検検事長に法相らが適正捜査指示

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070405-00000112-yom-soci

長勢法相は冒頭、「自白の取り方や起訴の判断に批判が出ており、検察への信頼が失われかねない。十分検証し、格段の努力を要請する」と述べた。また、鹿児島の事件の判決は、強圧的な取り調べで自白を引き出した可能性を指摘しており、但木敬一検事総長は、「選挙違反は直接証拠に乏しく、供述に頼らざるを得ない面もあるが、捜査の適正さに目を配り、基本に忠実な捜査を遂行していただきたい」と指示した。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070403#1175555665

でも指摘しましたが、上記のような「当たり前のこと」をわざわざ言って聞かせるために、緊急に検事長天皇による認証を受ける「認証官」であり、私のようなしがない弁護士は近寄ることも口をきくことも到底許されない、日本の法曹界の「一代貴族」のような、非常にステータスの高い方々です)を集めているところに、法務省検察庁の危機感が感じられます。
今月には統一地方選挙があり、当然、全国で多数の選挙違反が摘発されるはずである上、今夏には参議院議員選挙もあり(衆議院議員総選挙統一地方選挙ほどは選挙違反は摘発されませんが)、ここで引き締めておかないと、さらに多数の無罪事件を生み出しかねない、という危惧もあるのかもしれません。
ここで、無罪になるような事件を次々と起訴してしまうと、裁判員制度がスタートする2009年以降に、次々と無罪判決が出て検察の威信が決定的に失墜する中で、そのような状況に大きく影響されつつ裁判員による裁判が全国で次々に「炸裂」(全部無罪や一部無罪、求刑を大幅に下回る量刑など)することになりかねない、という危惧も、法務省検察庁にはあるような気がします。