情報処理技術と刑事事件に関する共同シンポジウム「IT技術と刑事事件を考える−Winny事件判決を契機として−」

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070203#1170503245

今日の午前中から夕方にかけて、大阪弁護士会館で開かれた上記シンポに参加してきました。土曜日にもかかわらず、会場には、結構、人が来ていて、この問題に対する人々の関心の高さが感じられました。
私の場合、それなりにこの裁判には関心を持ち、傍聴したり本ブログでも論じもし、また、本日の講演者による記事、ブログ等にも目を通しているので、特に目新しい話を聞いた、という印象は特にありませんでしたが、問題点の整理には役立ちました。
単なる参加者の一人としては、京都地裁における判決について参加者もかなり強い興味を持っていたはずですから、弁護団の協力も得た上で、法廷で争われた問題点、それらに関する証拠関係(検察官の立証に対し被告人・弁護人がいかに反証したか)、刑事手続上の問題点、裁判所の訴訟指揮の状況、等々を、より具体的に紹介した上で、判決が分析されていれば、よりわかりやすかったのではないか、という印象を受けました。
また、せっかく金子氏と、ウイニーを鋭く批判する高木氏が、隣り合って(!)座り、パネルディスカッションに参加しているので、時間の制約はありましたが、もう少し議論がほしかった、という印象も受けました。
検察庁で公判立会している事件で、問題判決(あくまで「検察庁にとっての」問題判決ですが)が出ると、上記のような観点で資料をあわてて作り、他の検事を呼び集めて控訴審査をしていた時のことが、ふと思い出されました。

Winny京都地裁判決要旨を読んで(前)
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20061217#1166287607
Winny京都地裁判決要旨を読んで(後)
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20061219#1166461792