オウム松本公判、出る?控訴趣意書…弁護団は書けず

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050816-00000301-yom-soci

弁護人2人は「被告が何を不服としているのか分からないと、趣意書は書けない。回復の可能性があり、待つべきだ」と主張する。

確かに、被告人との接見等を重ねつつ、控訴趣意書を作成するのが基本であり、それができないと、被告人の意向が図りかねるわけですが、接見等ができないから、即、控訴趣意書が作成できない、ということにはならないと思いますね。一審判決が死刑ですから、死刑判決を回避するという観点から、事実誤認、量刑不当、法令違反など、あらゆる観点から一審判決を弾劾する控訴趣意書を作成することは可能だと思います。

弁護人が作成途上の控訴趣意書の概要を提出することで、同高裁が、本格的な趣意書の提出まで公判の開始を見合わせるという展開もありうる。

提出期限までに、何とか控訴趣意書を提出しておいて、おって、控訴趣意補充書を提出するということは可能です。ただ、あくまで「補充」が可能ということですから、控訴趣意書としては一通り主張が出ている必要があり、「補充」のほうで新たな主張をすることは許されません。「概要」にもよりますが、あまりにも簡略なものでは、控訴趣意書扱いしてもらえない恐れがあるでしょう。
私自身、この事件の証拠関係は見ていませんし(私が作成した供述調書がどこかに入っている可能性はあると思いますが)、弁護団には弁護団の考え方があると思うので、批判するつもりもないのですが、主張は主張として展開する一方で、控訴趣意書作成は進めないと、最悪のケースとして、控訴趣意書不提出ということで控訴棄却になりかねず、取り返しがつかないことになりかねないと思っています。そうなってしまえば、被告人のためにもならないでしょう。