ニッポン放送問題と特別背任罪

3月12日のコメント欄で、

MADI 『 ニッポン放送焦土作戦にでた場合でも、日本の特別背任について悪意で協力した人間はやはり共犯になるんでしょうねえ。例の共犯と身分の論点がからみますけど。日本で焦土作戦の例があまりないのはこの刑法の構造の問題があるからかもしれません。
商法学者は案外刑事法に無頓着に議論していますし。』

とのコメントをいただきました。ありがとうございます。>MADI様
この点については、私もまったく同感です。日本での焦土作戦の前例が乏しいことと刑事法の構造の関係は、何とも言えませんが、現在の状況の中で、ニッポン放送やフジテレビ等の関係者が、特別背任罪の構成要件に該当する行為に及ぶ危険性には、無視できないものがあると思います。
また、犯罪行為と認定された場合、関与した人々が、共同正犯、教唆犯、幇助犯としての責任を問われる可能性も当然出てくるでしょう。
この種の問題に関わる弁護士は、いわゆる「ビジネス弁護士」と呼ばれている人々で、民商事法には詳しくても、刑事法には疎い、という場合が少なくないようです。以前、ビジネス系の弁護士が作成した、刑事法関係の意見書を見たことがありますが、お粗末なもので、なぜ、わけもわからず、このような意見書を作成するのか、と、あきれたことがあります(もちろん、皆が皆、そういった人ばかりではないと思いますが)。
そのような「刑事面でのリスク」ということも、この種の案件では慎重に検討しないと、後日、取り返しのつかないことになってしまいかねません。