「先生」について

町村教授のブログ

http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2004/12/divers.html

で、「センセイ考」というテーマで論じられているのを、興味深く読みました。
私の場合、最初に検事になったので、呼ばれるときは、「検事さん」(これが一番多かったです)、「検事」、「落合検事」で、それに慣れていたので、弁護士になって「先生」と呼ばれることが増えると、最初は違和感を感じていました。しかし、次第に慣れてきて、今は特に違和感は感じません。「先生」と呼んでほしいとも思いません。
検事の時、弁護士と話をする際は、ごく普通に「先生」と呼んでいました。そういった経験から言うと、「先生」というのは、相手への敬称としては呼びやすく、また、相手も悪い気はしないという、至って便利な言葉ではないかと思います。弁護士同士が「先生」と呼び合うという慣習も、尊敬し合っているというよりは(そういう場合もあると思いますが)、無難で呼びやすい、ということが大きな理由であると思います。
私の感覚としては、「先生」が呼びやすければそれで良く、また、「さん」付けで呼んでもらっても全然構わないし、自然な流れの中でぎくしゃくしなければ、それで十分だろう、と思っています。「先生」と呼ばれるから偉い、といった感覚は大間違いだと思っています。
ただ、弁護士の中には、かなり自己肥大化した尊大な人もいるので、そういう人に対して、「さん」付けで呼ぶと、嫌がる可能性はあります。そういう弁護士は、法曹人口が激増する中で、ネアンデルタール人のように次第に減少し絶滅して行くのではないかと思いますが。