胴上げ落下死、同僚3人に罰金10万円 過失致死罪

http://www.asahi.com/national/update/0706/OSK201007060143.html

起訴状によると、30〜40代の当時の同僚3人は2007年11月、草津市の料理旅館で酔った状態で胴上げをし、きちんと受け止める注意義務を怠ったとされる。床に落ちた男性は首の骨を脱臼するなどして寝たきりとなり、08年9月に死亡した。
遺族の告訴を受けた滋賀県警は3人を重過失致死容疑で書類送検したが、区検は「常軌を逸した危険な落とし方ではなかった」として、刑が軽い過失致死罪が相当と判断したという。

通常の過失と「重」過失を分けるものは、著しい注意義務違反があったかどうかということになりますが、あくまで評価の問題ですから、明確な目に見える一線があるわけでもなく、限界事例では微妙な判断になりがちです。
胴上げの危険性ということが周知されているとは言い難い面があり、そのあたりも含め、重過失までは認定し難いという判断になったのかもしれません。
不起訴ではないので検察審査会への申立てはできず、遺族がどういった気持ちでいるのかはわかりませんが、不服申立もできないだけにやりきれない、という状態になっている可能性もありそうです。
胴上げの危険性ということは、今後も、より広く周知されて、こういった悲惨な事故が起きないようにされるべきでしょう。

2010年07月06日のツイート

裁判員裁判:前科言及の冒陳を制止 東京地裁

http://mainichi.jp/select/jiken/saibanin/news/20100706k0000m040087000c.html

争点を絞り込んで行われる裁判員裁判で冒頭陳述が制止される異例の展開となった。
検察側は、裁判長が公判前整理手続きで前科立証を止めていないとして「不意打ちのような訴訟指揮」と反発。

09年9月8日、東京都葛飾区のアパートに侵入し現金1000円を盗み、灯油をまいて放火し約1平方メートルを焼いたとして起訴された。
事件の手口が特殊な場合、犯人性立証のために前科に関する証拠を提出することが許された例があるが、河合裁判長は「被告の前科は特殊ではない」と退けた。

同種前科による立証は、裁判所に予断、偏見を与え誤った認定に陥らせる危険性があることから、原則として許されないものとされていて、前科における犯行手口が特殊な場合や、犯罪の客観面が立証されていることを前提に同種前科により主観面(故意など)を立証する、といった限られた場合に例外として許容されるに過ぎないものとされています。記事を見る限り、犯行手口が特に特殊とは思えませんね。
公判前整理手続で、検察官の立証方針は明示され、こういった点も争点になるかどうかは検討されていたはずで、なぜ、公判段階になって、上記の記事にあるようなことになるのか、よくわかりません。争点整理が不十分なまま公判に入ってしまったのでしょうか。
裁判員としては、一体何が起きているのかよくわからず、そうでなくても戸惑うことばかりなのにますます戸惑ってしまったことでしょう。今後、被告人質問で検察官が前科について聞こうとすると弁護人が異議を述べ裁判官が制止する、といった場面が出てくることも予想され、裁判員にとっては、わけがわからず疲れる公判になりそうです。

担当検事、取り調べの適正を訴え 郵便不正元係長公判

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100630/trl1006301937006-n1.htm

出廷した検事は「調書には関係者の供述と合わない内容もあり、作文ではない」と強調。検事にプレッシャーをかけられたとする被疑者ノートの記述も「世間話をうまく脅迫のエピソードとして利用された」と述べた。

こういった水掛け論を防止するためにも、取調べの可視化が求められるということでしょうね。
供述調書を作成するにあたっては、信用性をかもし出すための様々なテクニックがあります。例えば、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080131#1201706114

でもコメントしたことがありますが、取調官が供述調書を作成中に、わざと、本質的ではない点の誤りを混ぜ込んでおいて、読み聞かせの際に、「あ、ここは違っていたな。訂正するから。」などと言って、調書の末尾で書き加える形で訂正し、「それ以外は読んで聞かせてもらった通りで間違いありません。」としておくと、将来、公判で供述調書の信用性が争われた場合、「被疑者は、このような些細なことにも注意しながら調書の内容を慎重に確認していた。それだけに信用性が高い。」と言いやすくなります。
取調官側は、密室状態で、力関係では被疑者よりも圧倒的に優位な立場に立ち、そういった様々なテクニックを駆使して取調べを行い供述調書を作成しているもので、それだけに虚偽が独り歩きする危険性を常に抱えているのが現在の取調べということは言えるでしょう。

ヤフーの「淘日本」が中国の消費者に不評、商品代より高い送料に通じない機械翻訳…―中国

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100706-00000020-rcdc-cn

さらに厄介なのは言葉の壁。消費者からの中国語の問い合わせは、機械翻訳に掛けられてから店舗側に送られる。店舗側からの返事も同様だが、自動翻訳では双方の意思が上手く伝わらない。これも不評を買っている大きな理由の1つだ。「淘日本」は中国国内と違い、代金先払いになっているのだが、20日経っても商品が届かず、問い合わせをしても話しがかみ合わない、といったクレームも多いという。

機械翻訳、自動翻訳が空中戦をやっているような感じですが、これで話がかみあい意思疎通が図れるとは到底思えず、何が起きているかと考えるだけでも空恐ろしいものがありますね。サービス運営者に、利用者の身になって考える気持ちが少しでもあれば、利用者にこういうことはさせられないはずです。
ヤフーのサービスを使うと、金はしっかり取られ、何か問題が起きてもすべては自己責任というのがデフォルトですから、この記事にあるようなサービスを、そもそも使って良いかどうかということは、使う前によく考えてみるべきでしょう。

ドコモ、電子書籍事業に本格参入=来年3月までに、携帯端末向け配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100707-00000081-jij-bus_all

通信業界では、ソフトバンクモバイル電子書籍の閲覧機能を搭載した米アップル社製の高機能携帯端末「iPadアイパッド)」の販売を5月から開始。KDDI凸版印刷朝日新聞ソニーと配信会社を設立した。携帯電話最大手のドコモの本格参入で、電子書籍をめぐる三つどもえの戦いが始まる。
山田隆持社長は時事通信社の取材に対し、電子書籍事業への参入について「ドコモには5600万人の契約者があり、料金徴収やセキュリティー(安全性)のノウハウもある」と述べ、同社の強みを強調。一方で、「日本国内でいくつも同じような陣営があっても過当競争になるだけ。長いレンジで見れば大同団結もあり得る」との考えも示した。

これは、実現が楽しみですね。携帯小説を読む、というスタイルは広く定着しつつあり、携帯電話を使っていつでもどこでも手軽に電子書籍、というスタイルも、かなり広がって行く可能性が高いでしょう。
大同団結もあり得ますが、ボリュームがそれほどない、手軽に読める本は携帯で、といった、棲み分けが進む可能性も感じます。