「ヒトラーの死を見とどけた男」

ヒトラーの死を見とどけた男―地下壕最後の生き残りの証言

ヒトラーの死を見とどけた男―地下壕最後の生き残りの証言

最近、書店で見かけて購入し、半分くらいまで読み進んでいるところですが、非常におもしろい本です。ヒトラーの死の直後まで、ごく身近にいた警備兵(現在もドイツで健在)の回顧談をまとめたもので、経験したものしか語り得ない、生々しい話が続いていて、読み応えがあります。日本語訳も読みやすいです。

<近未来通信>不透明な事業内容 集団訴訟の動きも

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061124-00000151-mai-soci

都は11月上旬、同社の資金集めなどについて、特定商取引法と都消費生活条例に違反する疑いがあるとして、是正を求める行政指導をした。20日を期限に改善計画書の提出を求めたが応じず、業務停止命令など行政処分も検討。22日には、法人事業税など約6000万円を滞納しているとして本社などを捜索した。
都によると、同社はプリペイドカード販売で、売り上げなどに応じ利益が得られる「販売代理店」を勧誘。これは同法が規制する連鎖販売取引マルチ商法)に当たり、契約時に虚偽説明や書面不交付など禁止行為をしていた疑いがある。設備費用を負担すれば配当する「中継局オーナー制度」については、同社側が一方的に配当や解約を決めるなど契約に不当な取引条項があり、同条例違反の可能性がある。
こうした情報を都は警視庁に提供しており、今後は告発も視野に、対応を協議する方針だ。

私は、今後、刑事事件としてどこまで進んで行くかに、特に注目しています。報道によると、顧客からの出資金の相当部分が配当にまわっていたとのことであり、そういった状態が恒常的に続いていたのであれば、上記のような法や条例違反にとどまらず、詐欺罪が成立する可能性が高くなってくるでしょう。詐欺罪の成否を判断するためには、事業としての実態解明が不可欠であり、捜査機関としては、早期に、関係箇所に対する網羅的、徹底的な捜索を行って、資料が散逸したり隠滅されたりする前に、重要証拠を確保しておきたい、というのが本音でしょう。
そういった観点から、近く、捜査機関(おそらく警視庁)が大きく動く、という可能性を、敢えて指摘しておきたいと思います。

ブログ「ばれたら消せば」と看守部長、自ら消えるハメに

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_11/t2006112422.html

府中刑務所によると、看守部長は2004年1月からことし11月にかけて、自分が開設、運営しているブログに、受刑者4人の氏名や処遇に関する情報などを書き込み、ネット上で不特定多数の利用者が閲覧できる状態にしたという。
看守部長は「ブログの内容を面白いものにしたかった。ばれたら消せばいいと思っていた」と話しているという。

停職処分となり退職した、とのことですが、こういった取り返しのつかない事態に陥る前に、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050515#1116086886

でも読んで自制してほしかったと思います。
「面白いものを書きたい」「他人に見てもらいたい」という思いが行き過ぎれば、その先には大きな落とし穴が待っている、ということでしょう。ブロガーの誰もが陥る可能性があり、十分注意すべきだと思います。

「訴因変更でも、刑訴法254条1項に準じ、公訴時効の進行が停止するとした最高裁判決」

http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20061125/p10

ボツネタで紹介されていましたが、かなり重要な判例ではないかと思います。
今、手元に資料がないので、記憶だけで書いていますが、訴因が不特定な起訴があった場合に時効停止を肯定した最高裁判例があったと思います。その事件では、訴因不特定とは言え、一応、起訴がありましたが、上記の件では、検察官が罪数の判断を誤り、本来、起訴すべきところを訴因変更してしまい、裁判所もそれを見逃して(おそらく、そうでしょう)訴因変更を許可し、審理が長期化する中で、停止していなければ公訴時効期間が経過してしまった、という経緯があったようです。形式的に見れば、不適法な訴因変更で時効が停止するのか?という疑問が生じますが、そこを、最高裁は、

検察官において,訴因変更請求書を裁判所に提出することにより,その請求に係る特定の事実に対する訴追意思を表明したものとみられるから,その時点で刑訴法254条1項に準じて公訴時効の進行が停止すると解するのが相当である。

と判断していて、今後の実務への影響にも大きいものがあるのではないかと思います。
罪数について、調べてもわからない、ということは、ほとんどないはずですが、検察官が迷った場合は、訴因変更ではなく、より厳格な手続である起訴(追起訴)手続を行っておく、というの鉄則でしょう。そうしておけば、罪数判断に誤りがあるという判断が後日されても、一種の「大は小を兼ねる」ということで、訴因変更をやり直す必要はない、という取り扱いになるはずです(そういった趣旨の判例もあったと思います)。しかし、小は大を兼ねないので、起訴すべきところを訴因変更でやってしまうと、上記の件のような、ややこしい問題が生じてしまうことになります。
検察官が罪数の判断を誤り、また、裁判所もそれを見抜けないまま長期間が経過するというのは、いかにもみっともない話であり、奥村弁護士並みとまでは行かなくても、罪数については、やはり注意して見ておく必要がある、という教訓を含んだ判例ということも言えると思います。

追記:

コメント欄でご指摘があった(ご指摘ありがとうございます)判例が言う、「検察官の訴追意思が明らか」という点を、手続の選択を誤ったとはいえ訴因変更により検察官の訴追意思自体は明らかになっている以上、時効は停止したと考えるべきだ、というところへ推し進めたということでしょう。

今市の有希ちゃん殺害、犯人捕まらず1年…墓前で法要

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061125-00000005-yom-soci

有希ちゃんの骨が納められる墓には、「笑顔」という文字が刻まれ、有希ちゃんが好きだった観覧車やシロクマなどの絵が彫られたという。

早いもので、事件発生後、もう1年がたとうとしています。
警察が、その持てる権限を適正に行使して、特に、こういった凶悪重大事件において、真犯人を早期に検挙することが、いかに大切なことか、それができないということが、警察にとって、いかに致命的なことかということを、改めて考えさせられます。
犯人を検挙し、亡くなったお子さんの墓前に報告できる日が、1日も早く来てほしいものだと思います。

男性教諭が50万円着服 ATMで置き忘れの現金

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/29066/

既に本ブログで書いたことがあったかもしれませんが、数年前、都内の銀行でATMを利用しようとしたところ、ATMの前に裸の1万円札が1枚落ちていました。誰かが落として行ったものであることがすぐにわかりました。一瞬、このまま素早く拾い、隠して持ち去ってしまおうか、という、悪い気持ちが生じましたが、次の瞬間、それはまずい、悪いことをしてはいけない、という気持ちが生じるとともに、犯行に及べば防犯カメラに撮影されている可能性が高いし、発覚すれば、「弁護士、1万円を猫ばば」「またも弁護士不祥事」「今度は元検事」「背景には経済苦か」などと、おもしろおかしく報じられ、追い込まれる姿が目に浮かび、その1万円を拾い、銀行の係員にすぐに連絡しました。結局、私が拾得者ということになり、半年間、落とし主が現れなかったため、その1万円は警察で私がもらいました。
弁護士であっても、一瞬とはいえ、上記のような悪い気持ちが起きるほどですから、上記の男性教諭にも同情を禁じ得ませんが、やはり自制すべきであったというしかないでしょう。