殺害、まず弁護士に告白 県警幹部「疑問も」 秋田事件

http://www.asahi.com/national/update/0610/TKY200606090486.html

容疑者は逮捕前に疑惑を一切否定していたうえ、逮捕後も供述が揺れることがあった。このため今後の捜査は、同容疑者が仮に供述を翻しても将来の公判が維持できるよう、物証や目撃証言などを積み重ね、供述に頼らない立件を目指すことにしている。
事件の計画性の有無もポイントになるとみている。弁護士は「計画的ではない」と強調したが、捜査幹部は「軍手がそこにあり、はめたことなど、衝動的というには疑問もある」と話した。

この自白が信用できるかどうかは、今後の捜査及び公判の推移、結果を見るしかありませんが、多くの事件では、当初の自白で、被疑者がすべてを語っている、ということはむしろ少なく、例えば、犯行自体は認めつつも計画性は否定したり(実際は計画性があるのに)、被害者に落ち度はないのに落ち度があったかのように語ったりする、といったことがよく起きます。人間というものは、どうしても、罪を軽くしたい、自分を悪く見られたくない、等々の気持ちを持ちがちですから、「認める」という気持ちになっても、どうしても、いきなりすべては話せなかったり、細部で嘘をついたり、といったことが起きがちです。
そういった疑問点を、一つ一つ検証して行くのも捜査の役目ではありますが、こういった性質はよくわきまえて、ある時点(特に初期)の自白については、絶対視せず、慎重に見て行く、ということが求められると思います。
また、弁護人としても、このような自白の難しさ、ということを、よくわきまえた上で動く必要があるでしょう。

ダスキン肉まん事件、旧経営陣に賠償命令 大阪高裁

http://www.asahi.com/national/update/0609/OSK200606090086.html

判決は、食品を扱う企業として「安全性に疑問がある食品を販売したことが判明した場合、消費者に公表して商品の回収に努めるべき社会的責任がある」と指摘。上田元社長はこうした責任を果たさず、千葉元会長はそれを事実上黙認したと認定した。
そのうえで、取締役会で決めた非公表方針について、「消極的な隠蔽と言い換えることができ、経営者責任を回避して問題を先送りしたにすぎない」と批判。問題の肉まん販売に直接関与していない残りの9人についても「公表しないことを当然の前提として了解していた」として過失責任を認めた。

取り扱っている「商品」の内容は異なりますが、「安全性」という点では共通する性格を持つ、現在、大問題となっているエレベータ製造会社にあてはめて考えてみると、興味深いものがあります。
誰にどのような責任があるかが判明するまでは情報を公開しない、動かずだんまりを決め込む、原因不明のまま自己の正当性ばかり主張する、ということ自体が、許されない場合がある、ということでしょう。

迷走の人生、定年後は散歩 団塊の世代の人生観調査

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060609-00000173-kyodo-soci

これまでの人生の「時の流れ方」のイメージで最も多かったのは「迷走」で、サラリーマンの24%、妻の18%。2位以下はサラリーマンが独歩17%、疾走12%。妻が伴走14%、快走11%など。
定年後の生き方については、サラリーマン30%、妻35%が「散歩」と答え、2位以下はサラリーマンが独歩20%、歩行12%。妻が伴走22%、歩行14%、独歩8%だった。

団塊の世代の意識がわかって、興味深いものがあります。「迷走」には、時代の大きな流れの中で翻弄された、という意識も強くはたらいているのでしょう。妻に「伴走」という回答が多いのも特徴的だと思います。

<エレベーター事故>03年ごろ10階から急降下 住民証言

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060610-00000100-mai-soci

私自身、そういった経験は、幸いにしてまだありませんが、今回の一連の事故の前から、エレベータに乗っていて、「もし、このままワイヤとかが切れて落下したら・・・」と、ふと思うことがありました。今までは、そう思っても、「まさか、そんなことはないだろう」と頭の中で打ち消して終わっていましたが、実際にそういった事故が起きていた、ということになると、頭の中で打ち消して終われないですね。製造会社や管理会社を訴えて巨額の賠償金でも勝ち取って、もし生きながらえていればおもしろおかしく遊んで暮らす場面でも想像するしかないかもしれません。

「悪魔の詩」翻訳者殺害7月時効 手がかり求め遺族奔走

http://www.asahi.com/national/update/0610/TKY200606100227.html

 会の参加者でイラン情勢に詳しい元新聞記者、佐藤陸雄さん(66)から5月、情報がもたらされた。米シンクタンク研究員で中東情勢の権威、ケネス・ポラック氏の著作を翻訳していたところ「悪魔の詩の日本語翻訳者は(イランの武装組織の)イスラム革命防衛隊に暗殺された」との記述があった、というのだ。

日本在住の者によったのか、あるいは外国から送り込まれた刺客によったのかはわかりませんが、上記のような背後関係があったということには、うなずけるものがあります。
若い頃は、よくイラン人の被疑者を調べることがありましたが、イランの、イスラム法による裁判の刑はものすごく重い(日本では「残虐な刑罰」と言われるものかもしれません)と言って、ひどく恐れている者がいた記憶があります。
犯人検挙が難しいとしても、せめて、どのような組織がどのような意図で実行したのかだけでも解明されれば、ご遺族の救いになるのではないかと思います。