宮崎家17年の『地獄』 自殺の父親『どんな子でも、私の子ども』

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060118/eve_____sya_____002.shtml

最高裁判決のあった十七日、被告の自宅のあった場所に立った。事件から約一年後、家は取り壊され当時の面影はない。「どんな子どもでも、私の子どもなんです」。十七年前に、被告の父親が心から絞り出すように口にした言葉が、風の中から聞こえてくるような気がした。目に涙がにじんだ。

言葉では言い表せない、非常に重いものを感じます。物事には「救い」というものが感じられないものもありますが、この事件には、何の救いも感じられませんでした。ひたすら、深い悲しみを感じるだけです。

<東証>ライブドアショック全売買停止 史上初

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060118-00000125-mai-bus_all

西室泰三東証社長兼会長は18日午後の会見で「現在の売買は極めて異常な状態」と説明し、「ライブドアの捜査に原因があるのは明らか」と懸念を表明。

捜査をやっていることが悪いわけではないので、文句も言えませんが、東京地検特捜部の強制捜査さえなければ、と、恨めしく思っている人は多いでしょう。
昔、研修で東京地検特捜部長の講話を聞いた際、「国滅ぶとも正義は行われるべし」と、何の迷いもなく言い切っていたのを、まざまざと思い出しました。

幕末会津藩主の手紙公開 戊辰戦争当を知る一級資料

http://www.sankei.co.jp/news/060118/bun075.htm

書状は就任について「領内も私も困窮し苦心千万だが、朝廷から厚いご信頼をいただき、幕府からも命令を受け、辞退するのは道理に合わない。徳川家長久の道を探った場合、藩として死力を尽くすほかはない」などと説明、藩に厳しい倹約を求めている。

司馬遼太郎の「王城の護衛者」で、再三にわたる固辞の末、京都守護職に就かざるをえなくなった松平容保が、会津藩士に対し、「京を死地としよう」と告げ、君臣ともに泣く、というシーンが出てきますが、この手紙も執筆の参考になった可能性があると思いました。

「新司法試験廃止論by戸塚悦耦龍谷大LS教授」雑感

ボツネタ

http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20060118/p16

で紹介されていますが、オリジナルの法律新聞の記事が手元にないので、上記エントリーを読んだ感想と言うことで、若干。
司法研修所の重要性については、以前、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20041030#1099125263

で述べた通りであり、廃止してしまった後の、法曹の質の著しい低下(迷惑するのは国民でしょう)、日弁連、裁判所及び検察庁がそれぞれ資格認定を行うことの非効率、認定されなかった人の問題(身の振り方はどうするんでしょうか?)などを考えると、上記のエントリーで紹介されているプランには賛成できないですね。
「優秀な人が、お金を費やし3年間勉強して合格できなかった場合の社会的損失」と言っても、我々が受験していた頃(合格者は500名弱)に較べ、数倍に及ぶ合格者(3000名)が出る時代に、そこにすら入れない人の「優秀さ」とは一体何だろう?と疑問に思うのは、おそらく、私だけではないでしょう。人生には、リスクがつきものであり、合格できないリスク(合格しても実務家としてやって行けないリスクもあります)があるのは、むしろ当然であって、一生懸命勉強した人が可哀想なのでリスクをなくしてあげましょう、といった議論は、単なる甘え以外の何者でもない、と言われても仕方がないと思います。
厳しい言い方になってしまいますが、法曹を志しても、適性、能力等により、勉強途中で転身したり、司法試験に合格できない人が出るのはやむをえないことであって、むしろ、そういった人々がうまく他の道へ進める方策こそが検討されるべきではないかと思います。
法曹を志した人々が、皆、法曹になれるようにすべきだ、といった議論をいくら繰り返しても、国民の納得どころか、法科大学院生の共感も得られないでしょう。
「なりたい人は皆、法曹になった上で自由競争に委ねればよい」という議論は、一見、妥当なように思えますが、不適格者が大量に存在した状態で激越な自由競争が行われることになれば(それも、大量の不適格者が不断に流入してくる状態で)、不適格者が淘汰される過程において、国民に重大、甚大な被害が生じることは目に見えており、上記のような自由競争論を主張する人々は、重大、甚大な被害をどう救済するかについて具体策を併せて提示すべきでしょう。

安土城:設計変更の跡発見 天皇来訪に関連か? 滋賀

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060119k0000e040006000c.html

同研究所は「天皇を招くために当時としては異例の大手3門を造った。やぐらを建てることで、威容を示そうとしたのでは」としている。

織田信長が、「天皇」という存在をどのように考えていたかは、本能寺の変で横死しなかった場合のその後の天下統一構想や、本能寺の変の真の原因(信長の行為簒奪を阻止するためだった、という「信長野望阻止説」という見方もあるようです)を考える上で、重要性が高いと思います。
安土城の発掘調査は、今後も長期間にわたり続くとのことで、新たな発見も期待でき、私も注目しています。
以前読んだ

明智光秀―つくられた「謀反人」

で、本能寺の変にいたる経緯や、原因に関する様々な説が紹介されていて、非常に興味深く読んだ記憶があります。

捜索時、メールの一部消した形跡 ライブドア事件

http://www.asahi.com/national/update/0119/TKY200601190266.html

先に、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060118#1137588174

で言及したような捜査が、着々と進んでいるようですね。
先ほど、仕事をしながらTBSのニュース番組を見ていると、元東京地検特捜部長の石川達紘弁護士が出演していて(珍しいですね)、「投資事業組合ライブドアの関係が問題で、捜査により解明されるべき」と指摘されていましたが、事件を見る目がある人は、指摘する点も違うものだと思いました。

ライブドア企業買収に関与 元関連会社社長、自殺か 沖縄」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060119-00000023-san-soci

身柄を取るべき人は取る、取らない人は任意で調べる、ということを、早く明らかにしないと、今後も犠牲者が出かねないでしょう。時間との戦いです。>特捜部

特捜部による事情聴取場所

世間を騒がせる特捜事件の場合、在宅の被疑者や参考人霞ヶ関東京地検に呼ぶのは、目立ってまずい、ということがよく起こります。では、どこで取り調べるか、ということになります。
以前は、都内にいくつもあった区検察庁地方検察庁の下にある検察庁)の庁舎が利用される場合がよくあったようですが、最近は、区検が大幅に統合された結果、そういう方法が取れなくなりました。
以前からよく利用されているのは、ホテルの部屋でしょう。永田町にあるキャピトル東急ホテルは、政治家や秘書などから事情を聞く際、そのホテルにいろいろな政界関係者が出入りしていることもあって目立たず好都合、ということで、よく利用されていたようです。私も、以前、ある事件で、某国会議員から、キャピトル東急ホテル内の部屋で事情を聞いたことがありました。
ただ、いつも特定のホテルを利用する、というわけでは、もちろんなく、具体的な状況によって、いくつかのホテルが使い分けられているというのが実状ではないかと思います。
今回のライブドア事件のような事件の場合、誰がどこで事情を聞かれているか、を、マスコミも懸命に追いかけていますから、知られないようにしつつ取り調べたい特捜部と、追うマスコミとの間で、水面下における一種の競争が繰り広げられることが多くなります。