「太平洋の試練 レイテから終戦まで 上」

 

このシリーズでこれまで出たものはずっと読み進めているのですが、最近、「レイテから終戦まで 上・下」が出たので、まず上巻を読みました。

この著者の叙述スタイルが、同じ場面を丹念に細かく書き込んでいくものなので、おもしろいのですが、読むのに結構時間がかかります。私も、読むのは遅いほうではないのですが、今月初めから読み始め、何とか上巻を通読したという感じです。

米陸海軍内の方針を巡る対立や太平洋の島嶼での日米対決、フィリピン戦線やレイテ沖海戦の動きが丹念に辿られていて、特に、米国側から見た視点には、今まで読んだものにはないものもあって、大変に参考になりました。

太平洋戦争の通史的な著作としては、かつて読んだ

が実に良くて、Kindleで出たら再読したいと前から思っているのですが、「太平洋の試練」は、「零戦燃ゆ」と並ぶ、私にとっての座右の書的な太平洋戦争通史になりそうです。