「砂まみれの名将ー野村克也の1140日ー」

 

野村克也氏が逝去して2年余りが経ちますが、生前の同氏を取材していた著者が、阪神タイガース監督を辞任した後にアマチュアシダックス野球部監督に就任した野村氏の姿を赤裸々に描いたのが同書です。たまたま知って、通読しました。

野村氏がアマチュア野球の監督をやったのは、後にも先にもこの時だけだったと思いますが、持てる野球に関する知識、経験を駆使してシダックスの選手、コーチらを育成していく様が、実に野村氏らしく、懐かしさとともに感銘を覚えるものがありました。

野村氏に指導を受けた人々が、その後、選手として、指導者として、野球界で活躍していったことも紹介されていて、同氏の影響力の大きさ、残したものの大きさ、多彩さを改めて強く感じるものがありました。

あまり語られることがない、野村氏の知られざる姿が描かれた同書には、貴重なものがあるように思われます。なかなか良い本でした。