分野も時間も軽々越えた「知の巨人」 立花隆さんが残したもの

分野も時間も軽々越えた「知の巨人」 立花隆さんが残したもの(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

76年2月には「ロッキード事件」が発覚。田中氏や丸紅、全日空の役員らが受託収賄、贈賄などの罪で起訴される歴史的な疑獄事件となった。立花さんは退陣で田中氏をテーマにすることをやめるつもりだったが、事件によって追い続けることに。77年の初公判以来、すべての公判を傍聴。「朝日ジャーナル」に68回の「傍聴記」を寄せた。

 並外れた読書家でもあった。蔵書はおよそ10万冊。「関心がある分野は最低でも10冊を読むべきだ」「本との出会いは自分でするもの」といった持論から、読書の方法や重要性を説いた。

司法修習生から若手検事の頃、立花隆氏の本はよく読んでいました。特に、ロッキード事件に関するものは、実に鋭くて、大いに参考になり影響を受けました。事実の切り取り方、分析の仕方等々、いろいろ学んだことは多かったと振り返って思います。
ロッキード事件では、嘱託尋問調書の取り扱い等で、刑事訴訟法の解釈も問題になっていましたが、立花氏は法律の専門家ではないのに、おそらく相当な勉強をして、鋭く解釈論にも切り込んでいました。夢中になって読んでいた頃が懐かしく思い出されます。
膨大な著書を持ち、専用の建物に収納するというのは、読書家の夢で、そういう意味でも、凄い人だなとずっと思ってきました。
今後、こういう人はなかなか出ないだろうと思いますし、脳を保存しておいて、人工の立花隆が再生できるようになったら再生してほしいと思ったのですが、亡くなったのは今年の4月末とのことなので、もう火葬されたでしょう。実に残念です。
まだ読んでいない立花隆氏の本を、今後はピックアップしながら読んでいきたいと考えています。
ご冥福をお祈りします。