札幌高裁、刑事裁判の即日判決91% 他高裁は1割切る

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170405-00000069-asahi-soci

即日判決の割合は、2007年から10年まで0〜1%だった。だがその後に増え続け、14年から毎年9割を超えている。一方、東京高裁では昨年1年間で即日判決したのは、1890人のうち71人(約4%)。大阪、名古屋、福岡、仙台、広島、高松の6高裁も1割を切っており、2回目の公判期日で判決を言い渡すケースがほとんどだ。
札幌高裁総務課の広報担当者は「裁判官が個別事件の審理状況に応じて適切に判断していると考えている」と説明している。
地元の弁護士からは疑問視する声も上がる。昨年7月にあった札幌高裁、札幌高検との協議で、北海道弁護士連合会(道弁連)が「慎重に審理されていないのではないかとの疑いを招きかねない」として判決期日を別に設けるよう要請した。

私は、弁護士になってそれほど経っていない頃、仕事もそれほどなかったこともあって、国選弁護事件で控訴審の事件を割と多く担当していた時期がありました。できるだけ被告人の主張を反映させるよう工夫しつつも、確かに、高裁としてこれは結論が見えていると感じるだろうな、と思われる事件も結構あって、即日判決できるものはするという判断にはそれなりに理解できるものがあります。
ただ、裁判というのは、公正さだけでなく「公正らしさ」も必要で、即日判決ということになると、狩猟や立証がきちんと考慮されなかったのではないかという疑念を、被告人や弁護人に残しかねない面もあって、そういう意味で、これだけ他の高裁よりも突出して即日判決が多いということには疑問を感じるものがあります。
間違っていることをしているわけではないが、工夫が必要ではないかと感じるものがありますね。