映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」

http://eiga.com/movie/83953/

大規模な自爆テロ計画の存在を突き止めた彼らは、アメリカ国内の米軍基地にいるドローン・パイロットのスティーブに攻撃命令を下すが、殺傷圏内に幼い少女がいることが判明。キャサリンは、少女を犠牲にしてでもテロリスト殺害を優先させようとするが……。

たまたま読んでいた雑誌で紹介されていて、興味を感じ、年末の忙しい中を無理に時間をひねくり出して、早速観て来ました。期待に違わず、無理をしても観るに値する映画でしたね。
この映画で描かれている戦場では、狙う側は会議室やドローンのコントロールルームにいて、危険な場所に身をさらすことなくターゲットを密かに、微細に観察し、攻撃を加えていきます。話には聞いていましたが、ドローンを使った偵察や攻撃が、この映画では実にリアルに(おそらく実際のものに近く)描かれていて、私自身の「戦場」概念がかなり広がったような気がしました。
映画の紹介にあるように、作品では、テロリストを攻撃しようとした際の、無辜の少女の存在が大きく問題となりクローズアップされます。結局、どうなったかはネタバレになるので書きませんが、結末においても観る者はドローンを使った戦闘というものがいかなるものか、しみじみと感じる、そういう作品に仕上がっています。少女を犠牲にしてでもテロリストを殺害して大規模被害を防止するか、そこの逡巡は、様々な物事にも通じるものがあって、身につまされるものがありました。
主演のヘレン・ミレンなど、出演者の演技も実に巧みで、緊迫したシーンが続き、かなり見応えがありました。お勧めできる作品です。