http://news.livedoor.com/article/detail/8370482/
「あらゆる手段を使って拳銃を押収せよ」。警察庁は7年11月、全国の銃器担当捜査員を集めてげきを飛ばした。同年には警察官が拳銃を買い受ける「おとり捜査」も解禁。銃器捜査は新たな局面を迎えた。
だが、これを境に顕在化したのは違法捜査。銃器担当捜査員が協力者の暴力団関係者に捜査情報を流すなど、ミイラ取りがミイラになる不祥事が相次いだ。
極めつきだったのは14年、北海道警で銃器捜査の「エース」と呼ばれた警部が、協力者から入手した拳銃を所有者不明の拳銃として押収したように見せかけていたことなどが発覚。さらに拳銃を密売していたとして、銃刀法違反罪などで有罪判決を受けた。
暴力団側の秘匿工作も巧妙化を続け、警察当局の捜査が後手に回るようになった。組員の拳銃所持の責任を組長に問えるとして、9年に山口組最高幹部が警視庁に逮捕されてからは、特に暴力団側の情報管理が厳しくなったとされる。
銃器摘発は、昔から警察当局が必死にやってきていることですが、かつては、警察と暴力団に、微妙なもたれあい(「癒着」とも違うので微妙としか言いようがないのですが)があって、そういう中で銃器を「出させていた」面があったように思います。例えば、暴力団ですからいろいろと悪いことをやっている、警察も捜査を進める、ただ、証拠にも濃淡があって全部が全部うまく立件できるわけでもない、といった場合に、適当なところで打ち止めにするために暴力団が「道具出します」といったことを言う、あるいは警察側から「道具ないか」と持ちかけるわけです(この「道具」というのは地域によって言い方が違います、道具と言うのは関西風です)。ここで、あるものを普通に出せばそれほど問題はないのですが、かつては、わざわざ暴力団が買ってきて提出したり、といった、不明朗なことがつきまとっていた面がありました。また、警察として立件可能なものを「握る」(つぶす)見返りに、銃器を出させる、といったことも、かつてはまったくなかったとは言えないでしょう(そういうことはまったくなかったと断言できる警察関係者は、おそらくいないでしょう)。
不明朗な経緯があっても、そこは隠ぺいして、これだけ銃器を押収しました、という実績が前面に出ていた、という時代に起きたのが、上記の記事にあるような不祥事であったと思います。
そういう微妙なもたれあいが、警察側の、上記の記事にあるような捜査適正化の流れや暴力団排除活動の高まり、暴力団側の非協力化といった流れの中で、次第になくなり、警察も、銃器情報をなかなか入手できずにもがいている、というのが現状ではないかと感じます。
例えば、思い切って、銃器情報が提供され情報に基づき押収された場合は、懸賞金を1丁あたり1000万円程度出す、といったことでもしないと、現状はなかなか良い方向へは進まないような気がします。