溝口敦が斬る 山口組内乱の実相

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150904-00010001-wedge-soci

こうした収入は正確に税務申告され、納税されているのか。実は神戸山口組側の奥の手として、警察や税務署に対する証言の提供があるとされる。

工藤會では月に約2000万円の会費が集められ、その4分の1、約500万円が野村総裁側に渡されていたという(年額では6000万円)。一昨年までの4年間に約2億2000万円が渡り、おおよそ8800万円を脱税したとして、野村総裁は逮捕された。

この記事は、さすがに長年、山口組を見てきた溝口氏らしく、具体的でよく分析されていて参考になります。
私も、今後、脱税による立件は、実際に工藤会での立件例もあり、現実性があるのではと感じています。さすがに新組織の現役の組員では新たな抗争に発展しかねませんから、事情を知る者を何らかの理由を付け絶縁にでもして、裏で一生遊んで暮らせるだけの経済面での保障をして、捜査当局に供述させ、脱税での立件を、という流れは大いにあり得ることでしょう。脱税事件の場合、推計計算も駆使されていますから、全体の中の一部であっても信用できると判断される情報が入手できれば、推計も加味してほ脱額を積み上げることも可能になってきます。
ただ、警察当局としても、山口組が組織として弱体化すればそれでハッピーかというと、他の組織との関係を律していた「力」が削がれることで組織間の軋轢、対立、抗争が各所で起きたり、半ぐれのような既存の暴力団とは異なる組織が、海外の犯罪組織も含めて勢力を伸ばしてきたりと、状況がより悪化する恐れもあります。警察当局にとっても厳しい局面が次々と出てくる、そういう今後になるだろうと思います。