http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2010022100128
検察側が苦境に立たされている。捜査段階で同被告の関与を認めた元上司ら5人が証人として出廷し、次々と供述を翻しているためだ。
従来の贈収賄、選挙違反等の事件では、関係者が公判になって捜査段階の供述を翻し、供述調書は検事の作文である、供述を強要された、といったことを口々に言うことはよくありましたが、そういった場合に、検察官側は、この種の事件の関係者は密室では真相が語れても公開の法廷で真相は語れないものであるという強烈な自負の下、捜査段階で作成された供述調書の証拠能力(特に特信性)を立証し、採用に持ち込んで有罪判決をもぎ取ってきたものでした。
しかし、そういった手法は、最近、次第に行き詰まってきつつあるのも事実で、厚労省元局長の事件でも、裁判所が従来の検察スキームで乗ってくれるかというと、なかなか難しいものを感じます。
有罪、無罪、いずれの判断が出るかはともかく、ここまで次々と証言が翻るようでは、捜査自体に無理があったのではないかと見られても仕方がないでしょう。