千葉大生殺害:裁判員裁判の死刑破棄 東京高裁は無期判決

http://mainichi.jp/select/news/20131008k0000e040190000c.html

村瀬裁判長は、被害者が1人の殺人事件で、計画性がない場合には極刑が選択されていない傾向にあることを踏まえ「死刑選択の合理的、説得力のある理由とは言い難い。裁判員らが議論を尽くした結果だが、刑の選択に誤りがある」と述べた。

村瀬裁判長は6月にも被害者が1人の強盗殺人事件で、「前科を重視し過ぎた」として裁判員裁判で死刑とされた男(62)を無期懲役減刑していた。

上記の6月の事件については、

<青山強盗殺人>死刑破棄し無期 裁判員裁判で初 東京高裁
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20130620#1371710017

とコメントしたことがあります。今回の事件でも、確かに、被害者が1名で計画性までは認定できないとしても、記事にあるように、1審は「被告が強盗致傷などの前科で服役し、出所から3カ月足らずの間に、強盗や強姦(ごうかん)事件を繰り返していたことなどを重視した。」とのことで、そういった死刑選択が誤っているかについては、賛否両論あるところでしょう。
死刑という究極の刑罰が、このように、人による評価により選択されたりされなかったりする、というところに、死刑制度というものの見直しの必要性を強く感じる人もいると思います。
現行の死刑制度がすぐに廃止される可能性がない以上、慎重な運用により誤りがないようにする必要があり、例えば、死刑の適用が問題になる事件では、判決宣告の前に、量刑調査委員会のようなところで、被告人の資質や同種事案の量刑事情などを徹底的に調査して、その結果も踏まえて判決を宣告するなど、現行制度の改善、改革も検討されてしかるべきではないかという気がします。