米大統領、シリア攻撃決断…「議会承認求める」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130901-00000177-yom-int

オバマ米大統領は8月31日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、シリアのアサド政権が化学兵器を使って自国民を殺害したとして、「米国は軍事攻撃をするべきだと決断した」と述べた。
その上で、「武力行使について米議会の承認を求める」として、議会に武力行使の是非をはかる方針を発表した。

こういった武力行使、特に、他国の内部における紛争に外国が介入することには、当然、慎重でなければならないと思いますし、アサド政権が化学兵器を使ったかどうかの認定にも慎重さが必要ですから、オバマ大統領のこうした方針を直ちに支持はできません。
ただ、ホロコースト、生物化学兵器の使用といった非人道的な行為が大規模、組織的に行われている場合に、他国の内部のことだから、といって何もせず放置してよいのか、ということには、深刻、根本的な疑問を感じずにはいられません。
最近、旧アウシュビッツ強制収容所を見学したいと思い、行き方を調べたりしていたのですが、近くにあるクラクフという都市が、映画「シンドラーのリスト」の舞台になっていたと、知人から教えてもらい、かなり前に観たかどうかも覚えていない状態だったので、途中まで観ているところです。

ナチスに虐待、虐殺されるユダヤ人が、実に哀れ、気の毒で、観ていられないほどなのですが、当時、例えば米国がもっと早く欧州戦線に大規模に介入していれば、こうした悲劇をより早く食い止めることができた可能性はあるでしょう。かなり前になりますが、親のほうだったか子のほうだったか(子のほうだったと思いますが)米国のブッシュ大統領が欧州を訪問した際に、アウシュビッツへとユダヤ人を運んでいた貨物列車の線路を爆撃するべきであった、といったコメントをしたという記事(記憶だけなのでコメント内容がちょっと正確ではないかもしれませんが)を読んで、強く共感を覚えたことが思い出されます。
オバマ大統領の上記のような決断も、そうした人道的な見地が重視されているのではないかと推測され、国際法上、どこまで合法性があるのか何とも判断がつきかねますが、何もせず事態が進むままに委ねた場合の取り返しのつかなさを考えると、こうした「人道的介入」を、武力行使はいけません、内政干渉はやめましょうで片付けられない、ということを、深刻に感じるものがあります。