被害もたらした低気圧 “2段階”で急速発達 南の暖気+大陸の寒気

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130303/dst13030322140013-n1.htm

北海道に暴風雪をもたらした低気圧は、温かい空気が冷たい空気にぶつかって強まり、さらに大陸からの寒気が流れ込むという“2段階の過程”で急速に発達した。気象庁によると、5人が死亡した中標津町では2日、観測史上最高の最大瞬間風速23.7メートルを観測し、最深積雪は95センチと、この冬一番の深さを記録。同庁は被害を招いた要因として、短期間での多量の降雪に加え、台風並みの強風が伴った点をあげた。

自宅近くまでたどり着きながら立ち往生した車内で死亡したり、車から降り避難する途中で凍死したりする死者が相次いだのは、夜間に降雪量が増えたほか、強風で視界が悪くなり、急激に状況が悪化したためとみられる。

私は、今のところ、こうした気候の急変で怖い思いをしたことはないのですが、かつて読んだ

洞爺丸はなぜ沈んだか (文春文庫 (248‐4))

洞爺丸はなぜ沈んだか (文春文庫 (248‐4))

で、強力な勢力を維持しつつ北海道に接近した、いわゆる洞爺丸台風によって、洞爺丸などの沈没で多数の犠牲者が出ていて、気象が予想を超えて大きく変化することがあることや、予想しきれなかった場合に生じる人身被害の大きさ、深刻さを痛感したことがありました。
洞爺丸の船長のようなベテランの船長でも、むしろ、ベテランで知識、経験が豊富にあるからこそ、気象の変化を読み切れないということは、示唆に富むものがあり、気象に関する危険性の判断については、慎重の上にも慎重を期し、後に取り越し苦労だった、と言われることを恐れず、安全な方向へと振れておく必要性を感じます。
車で移動する途中で、雪のため動けなくなり排気ガスで中毒死したり外に出て凍死する、といったことにならないため、動かず屋内にとどまるべき時は思い切ってとどまることや、そうしたことがあり得るということを想定して、雪が多い地方では、人家等で寝具などを予め余分に備えておく、といったことが、今後、より求められるのではないか、という気がします。こうした悲惨な犠牲者が出ないよう、対策を進める必要があるということを強く感じます。